【凱旋門賞】初騎乗から27年 武豊騎手、ブルームで日本人騎手初制覇へ「今年こそは、ですよね」

スポーツ報知
キーファーズの勝負服が似合う武豊

◆第100回凱旋門賞・仏G1(10月3日・芝2400メートル、パリ・ロンシャン競馬場)

 第100回凱旋門賞・G1(10月3日、仏パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)に、日本人ジョッキーとして唯一、騎乗馬を得たのが武豊騎手(52)=栗東・フリー=だ。コンビを組むのはブルーム(牡5歳、愛・Aオブライエン厩舎)。そして、ブルームと同騎手を結びつけたのは、ブルームの共同馬主に名を連ねる松島正昭氏(63)だった。日本人として初めて凱旋門賞を勝つ。両者の思いは完全に一致。悲願の世界の最高峰制覇へ“二人三脚”で突き進む。

 挑戦を重ねるたびに、勝利への渇望が強くなっていく。凱旋門賞に武豊が初めて騎乗したのは、ホワイトマズルで挑んだ94年だった。

 「毎年の大きな目標ですよね。ジョッキーなら誰もが出たいレース。最初に行った時になお強く思いましたね。いつかは勝ちたいと」

 日本人騎手が凱旋門賞を勝つ。その夢はもはや武豊個人の枠にとどまらず、日本の競馬界全体の夢でもある。第100回の節目の年に日本人騎手で唯一の参戦。騎手仲間からは「頑張ってきてください」と何度も声をかけられたが、それだけではない。「武豊騎手で凱旋門賞を勝つことが夢」と公言する馬主まで現れた。キーファーズ代表取締役・松島正昭氏だ。

 「去年は(フランスまで)行って乗れなかったし、今年こそは、ですよね。オーナーもそうやって夢を持たれていますし、一緒に勝てれば、なおうれしいです」

 松島氏は一昨年と昨年、欧州の実力馬の共同所有者となった。その一義的な目的はもちろん、凱旋門賞における武豊の騎乗馬を確保するため。19年のブルームは体調不良で回避し、昨年のジャパンは禁止薬物で陽性となったことで出走取消。松島氏と武豊のコンビでの参戦は今回にお預けになったものの、“目に見えない何か”が、第100回という区切りにあえて導いたと言えなくもない。

 3年越しの夢の実現へ今回、松島氏が用意したパートナーは19年に騎乗予定だったブルーム。今年は、サンクルー大賞でG1初制覇を決めたほか、前走のフォワ賞でもディープボンドの2着と充実期に入っている。

 「今年前半はいいレースをして、サンクルー大賞も勝った。復活したなという感じ。見ていて、乗りやすそうだなと思います。それは武器になるんじゃないかな。もうそろそろ勝たせてほしいですよね。どの馬でも、日本の馬でも外国の馬でも、勝ちたいのは同じです」

 ディープインパクト(06年)を含め自身8度の騎乗で届かなかった日本人未踏のピークを、武豊の視線がとらえているのは間違いない。

 「日本のジョッキー代表というのは当然ある。出ない限りはノーチャンスだし、出るからにはチャンスがあると思っています。いいところを見せますよ。日本の馬を負かしたらゴメンね」

 クロノジェネシスもしくはディープボンドによる日本馬初Vを阻止した時のためのエクスキューズの言葉は、全くジョークに聞こえない。52歳になっても、凱旋門賞の話題には少年のように自然と瞳が輝く。熱い思いを胸に、世界最高峰の舞台へ向かう。(山本 武志)

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