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現役引退した大迫傑氏「速くなりたい人が集まれるコミュニティを」 チームの枠越えて輪を作る

大迫傑氏は東京五輪を最後に引退
大迫傑氏は東京五輪を最後に引退

 男子マラソンの前日本記録保持者の大迫傑氏が28日、オンラインで合同取材に応じた。6位に入った東京五輪を最後に一線を退いた先駆者は「五輪が終わって、まだ実感がない。マラソン後はいつも休暇を取っていて、1か月くらいはゆっくりしているので、その延長という感じ」と振り返った。

 7月下旬にSNSを通じて東京五輪を最後のレースにすると宣言した。五輪での日本人最高記録でフィニッシュした大迫氏は「集大成というか、(現地でのインタビューで)100%出し切れたと言ったんですけど、本当にそう言い切れるレース。完全燃焼できたかなと思います」。五輪後は全国10か所でのランニング指導をはじめ慌ただしい日々を送っている。「忙しくさせていただいて、集中している。いい意味で暇がないという感じですね」と充実感を漂わせた。

 引退については約2年前くらいから考えていたという。最終的に決断したのはレースの3、4週間前。「東京五輪に向けて全力を尽くすというか、言い訳を作れる環境を捨ててやるのが自分にとってかっこいいと思った。あとは陸上というフィルターを通して、新しい興味もでてきた。色んなこと考えたときに、今辞めるのが一番キレイなんじゃないかと思いましたね」と率直に話した。

 所属するナイキ社の厚底シューズとともに歩んだマラソン人生。最も気に入っているのは「どれもいいですけど、フライニットはびっくり。あのシューズで走ったシカゴは日本新。あのニットは結構好きでしたね」とヴェイパーフライ4%フライニットへの思い入れも語った。

 今後はジュニア世代だけではなく、エリート選手の指導にもあたるという大迫氏。「チームの枠にとらわれるのではなくて、速くなりたい人が集まれる、それで切磋琢磨できるコミュニティが必要。大学や企業とかの枠を越えて、みんなで強くなること。互いにモチベーションになって、質の高いトレーニングをしていく。それが必要だと思う」と力説。「コーチングもしていきたいけど、それより、高みを目指す選手の集まれる輪になれたらいい」と新たな道を見据えた。

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