中日は27日、名古屋市内の球団事務所でスカウト会議を開いた。10月11日に行われるドラフト会議に向け事実上、最後の討論の場に、与田剛監督(55)や松永編成部長、米村アマスカウトチーフが出席。最終的な結論は出ず、ドラフト前日の会議か当日に決めることになったが、全体で5~6人の指名になる。
与田監督は「6月ぐらいから話を続けてきていた。最終的な確認だけ。(どんな要望?)それは言えない。とにかくいろんな話をした」と会議の詳細は明かさなかった。その後、松永編成部長と米村アマスカウトチーフが取材に応じ「候補は121人から80人くらい(に絞った)。ドラ1は投手、野手含めて10人くらい。どっちにいくか分かりません。打者は少ない。投手は高校生の小園、森木、風間。ここは頭一つリードしている。打者は一長一短」と説明した。
春先に行われたスカウト会議では即戦力野手の話題が中心となったが、米村チーフは「(方向転換は)ない。現状うちの弱点であることをどう補強するのか。投手はいるので、どうするのか」。1位候補筆頭の大学生3選手の評価は「(駒大)鵜飼君はやっぱり長打力。当たったら本塁打を打てる。飛ばすんだったら鵜飼君が一番飛ばす。(上武大)ブライト君は走攻守全て(いい)。身体能力を含めて。上武大の谷口監督から厳しい指導を受けていると言うことで野球に対する姿勢もいい。(慶大)正木君は2割だけど本塁打を打てる打者」とした。
それでもコロナ禍による練習制限や、緊急事態宣言でスカウトが積極的に視察ができないこともあり、難しいドラフト戦略になると漏らす。同チーフは「視察ができないために決定力に欠ける。僕が感じているのは、打者より投手が優秀だと思っている。だが、会社からそういう風にしろと言われたら僕らは意地張って言えない。(即戦力なら)右の大砲が必要。ただ今年の打者は確信は持てない。試合の中で見きれていないので、各担当スカウトに委ねるしかない。筑波大の佐藤は全然練習できてないという報告なので、じゃあそれにいくのかなどの討論は先に延ばさないと分からない」と苦心の色を隠さなかった。