南野拓実2ゴール奪取! リバプールでの生き残り宣言!!

スポーツ報知
2得点した南野拓実(ロイター)

◆リーグ杯第3回戦 ノリッジ0-3リバプール(21日、英・ノリッジ=キャロウ・ロード)

 試合終了のホイッスルが鳴り響いた瞬間、2ゴールのヒーローとなった南野拓実が、どかっと崩れ落ちるように座り込んだ。9月上旬の代表戦に招集されたが、左太ももに違和感を抱いてチームを離脱した。リバプールに戻ったが、ベンチに入っても出場機会は巡って来ず、このリーグ杯3回戦でようやく先発出場のチャンスが訪れた。

 16歳FWカイデ・ゴードン、18歳DFコナー・ブラッドリーのユース選手も先発メンバーに名を連ねたが、相手はプレミアのノリッジ。今季のリバプールでの生き残りをかけた南野が試合開始直後から目の色を変えて激しいプレーをした。

 南野の闘志はキックオフ直後のスローインのシーンから早くもにじみ出た。試合が始まってすぐに南野が出張った左サイドでボールがサイドラインを割る。自らスローインをしようと、観客席の一列目に飛び込んだボールを追った南野。しかしアウェイのサポーターがボールを返さない。その瞬間、南野が鬼の形相でボールを求めた。

 キックオフの瞬間からものすごい集中力を見せて試合に入っていた。そんな南野が前半4分、コーナーキックの流れからすかさず先制点を奪う。左サイドから放たれたコーナーをファーサイドにいたオリギが頭で前方にいた日本代表MFの足元に落とす。南野は後方からのボールに対し、瞬時に体を開いて迎え入れると、ターンをしながら右足を巻き込むように鋭く振り抜いた。右サイドの角度のない位置からのシュートだったが、至近距離から放たれた強烈なシュートがノリッジGKグンの股を抜き、一瞬にしてゴールネットに突き刺さった。

 南野はこの後も激しいプレーを続ける。速いプレスをかけ、高い位置で何度もボールを取り返した。最前線でそんな攻撃的な守備を見せると、後半は中盤を任された。試合後、クロップ監督が「今日のタキ(南野)には本当に力強さがあった」と語ってポジション・チェンジの理由を明かした通り、ハーフタイム後はこの試合で右サイドのインサイドハーフを務めてやや精彩がなかったオックスレード・チェンバレンとポジション・チェンジ。失敗となったが、前半42分にPKを奪い、必死に押し上げるノリッジとの中盤争いの切り札に南野を指名した。

 結果的にこの起用が当たった。リバプールは中盤でのボール争いを制して相手をゼロに押さえた。しかも後半5分、オリギが見事にコントロールしたヘディングシュートで2点目を奪うと、同35分、南野が自身の2点目、そしてダメ押しとなる3点目を奪い、チームの勝利を確定させた。

 これも執念のゴール。ノリッジPA内右サイドでオックスレード・チェンバレンのスルーパスを受けたが、相手DF3人がすぐさまプレスをかけて詰めてくる。しかも右足でのファーストタッチがやや強く、ボールを逃しかけた。ところがここからさらに右足を伸ばし、引っ掛けるようにボールを蹴って、ゴールに流し込んだ。

 故障明けで今季初先発。しかも前半は3トップの左サイド、後半は中盤右サイドで90分フルに戦い、2ゴールを奪った。まさに全力を出し尽くして、試合終了と同時にピッチに沈み込んだ。

 そんな南野の全てを出し尽くしたパフォーマンスに対し、クロップ監督は「確かに今季は(代表招集中の)故障もあり、プレーをしていない。しかし彼には最高の負けじ魂がある。そして今日の試合を本当に楽しんだ」と話して、加入1年9か月で南野がようやくピッチ上でむき出しにした闘志にご満悦の表情を見せた。

 そして「結果を出すことが彼を助け、そして我々を助けることになる。故障をしたが、残りのシーズンは長い。タキはいいトレーニングを重ねている。今日の2ゴールにもふさわしい。1点目は状況判断が速く素晴らしかった。2点目はまだしっかりと見返していないが、スペースがないPA内での加速が本当に良かった」と一気に語ってこの試合の日本代表MFのプレーを振り返ると、「これで彼のシーズンが始まった。誰も心配する必要はない。タキは大丈夫だ」と続けて、今後の出場機会の増加を示唆した。

 しかし今季のクロップ監督には南野に躍進してもらわなければならない事情もある。来年1月8日から2月5日の予定でアフリカ・ネーションズカップが開催。リバプールはこの期間、サラーとマネの2人の大エースを失うことになる。

 もちろん1月の移籍期間に補強の可能性もある。しかしクロップ監督は現時点で今季のFW陣に関しては「ボビー(フィルミーノ)もトレーニングを始めた。(FW陣は)十分だ。全く心配していない」ときっぱり。一方で南野はこの2ゴールを足場にして、今後も出場機会をつかむ度に闘志あふれるプレーとゴールを積み重ねることが不可欠だ。

 そうすればドイツ人闘将が語った通り”自分を助けてチームを助ける”状況を生み出し、1月に2人のエースが不在となった時、その存在感を知らしめる真のチャンスが到来することになる。

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