尾車親方が解説 照ノ富士&宇良“地獄を見た2人”の全力に胸熱くなった

スポーツ報知
照ノ富士を攻める宇良(カメラ・山崎 賢人)

◆大相撲秋場所10日目 〇照ノ富士(上手投げ)宇良●(21日、東京・両国国技館)

 新横綱・照ノ富士が、業師の東前頭6枚目・宇良の挑戦を力でねじ伏せた。大けがで一時は序二段まで番付を下げた者同士の対戦は、照ノ富士が上手投げで勝利した。ただ、宇良は自身の体が裏返りながらも相手のまわしをつかみ“ブリッジ”で最後まで粘るなど、大いに見せ場を作った。

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 宇良は挑戦者の気持ちを忘れなかった。立ち合いの変化もあると思ったが、真っすぐに当たった。右をおっつけて中に入ろうとしたが、右肘をキメられてしまった。これで動きが止まった。肩すかしや2度の足とりで攻めるも照ノ富士は盤石だった。最後は肩越しに左上手を取られ上手投げで土俵にたたきつけられた。

 涙と汗が染み込んで、1分32秒3の長い相撲だった。地獄を見た2人の力士の全力を出し切った熱戦に私の胸も熱くなった。大関から序二段まで落ち、左前まわしを取って引き付ける“照スペシャル”で一気に横綱まで上り詰めた照ノ富士。宇良も幕内から序二段への転落を経験して、肉体改造で筋力とバネをパワーアップ。精神的にも大きくなって堂々と結びの土俵を務めた。長くて苦しい道のりには想像を絶する努力があるのだ。

 2人の取組を全力士に見てほしいと思った。最近の若者はすぐに諦める傾向にあるが、諦めないで見事に復活した現実があることを脳裏に焼き付けてほしい。(尾車親方=元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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