村田真一氏、思い出す「10・8」シーズンの教訓 巨人は今こそバッテリーが踏ん張るしかない

94年10月、中日に勝利し優勝。捕手・村田に飛びつき喜ぶ桑田
94年10月、中日に勝利し優勝。捕手・村田に飛びつき喜ぶ桑田
94年9月、オマリーに先制3ランを浴びた槙原。この試合に敗れ8連敗となった。
94年9月、オマリーに先制3ランを浴びた槙原。この試合に敗れ8連敗となった。

◆JERAセ・リーグ 巨人2―3DeNA(14日・東京ドーム)

 巨人は5位のDeNAに痛い逆転負けを喫した。4回に1点を先行したが、先発の山口が6回に桑原に同点ソロを許し、7回1死からソトへの頭部死球で危険球退場。2番手の田中豊が続く牧に勝ち越し2ランを浴びた。5か月ぶりに3番に坂本を置いたオーダーも実らず、DeNA戦は8戦勝ちなしで6連敗となった。ヤクルト・阪神戦が引き分けたため、首位・阪神とは3・5差の3位転落となった。スポーツ報知評論家の村田真一氏は波に乗れないチームに対して、今こそバッテリーが踏ん張るべきと主張した。

 今の巨人を見ていると長嶋さんが指揮をしていた1994年シーズンを思い出す。そう、あの「10・8」があった年よね。8月終盤から8連敗して最大10あったゲーム差があっという間に縮まった。原因は打てなかったこと。なにせ8連敗中、最大2得点だったから当然の結果よね。その連敗中のある日、主にスタメンマスクをかぶらせてもらっていた自分は突然、監督室に呼ばれた。ミスターに言われた一言で背筋が伸びた記憶が鮮明によみがえる。

 「何とかバッテリーで2点以内に抑えてくれ。頼む!」

 いくら打てと言っても長いシーズン、打てない時は打てない。だったら、バッテリーが踏ん張るしかない。巨人はここ10試合で平均得点は3点に届かない。今は首位・阪神を追いかける立場だけど、似た状況なんじゃないかと思う。それでも勝ちたいなら抑えるしかないんよ。

 そのためにとにかく本塁打を打たれないことをバッテリー全体で意識した。ヒットなら仕切り直せるけど本塁打はその時点で失点。特に走者がいれば最低2点は取られる。ミーティングでも何でもとにかく、「低めに放ろうぜ」と繰り返した。この試合、先発の山口は桑原に恐らく狙われていたカットボールを本塁打されてしまったが、危険球退場の回を除けばその1点だけで踏ん張った。カーブで緩急をつけたりして先発の仕事を果たしてくれたと思う。

 結果から言ってしまえば田中豊が浴びた2ランがもったいない。確かに山口の危険球退場で急にマウンドに上がっているし、打たれたこと自体を責めるつもりはない。ただ、ホームランだけは避けたかった。まだまだシーズンは30試合以上ある。この打線のメンバーなら必ず調子を取り戻すから、今はバッテリーが細心の注意を払いながら何とか2点以内でしのごう。本塁打を打たれる可能性が低いのはやっぱり低目。勝負どころでは強く、強く意識してほしい。(スポーツ報知評論家・村田真一)

 ◆1994年の巨人 開幕後から順調に白星を重ね、6月28日には2位に最大10ゲーム差をつけた。8月24日時点でも9差をつけていたが、同25日からの8連敗で暗転。9~10月に9連勝した中日に猛追され、10月8日のナゴヤ球場での最終戦は、史上初めて同率首位チーム同士で「勝った方が優勝」という大一番になった。長嶋巨人は落合、村田真、コトー、松井の4発などで6得点。槙原、斎藤、桑田のリレーで逃げ切り、4年ぶり36度目のリーグ制覇を果たした。

映像提供:GIANTS LIVE STREAM
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94年10月、中日に勝利し優勝。捕手・村田に飛びつき喜ぶ桑田
94年9月、オマリーに先制3ランを浴びた槙原。この試合に敗れ8連敗となった。
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