藤井聡太三冠 最年少!羽生九段を3歳更新!あるぞ年度内六冠 全八冠制覇が「ひとつの理想のかたち」

スポーツ報知
史上最年少の19歳1か月で三冠を達成した藤井聡太新叡王

 将棋の藤井聡太二冠(19)=王位、棋聖=が13日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第6期叡王(えいおう)戦五番勝負の最終第5局で豊島将之叡王(31)=竜王=に111手で勝ち、通算3勝2敗で叡王のタイトルを獲得した。19歳1か月で三冠となり、1993年に羽生善治九段(50)が記録した22歳3か月の最年少三冠記録を28年ぶりに更新。初の10代三冠となった。10月開幕の竜王戦七番勝負への挑戦も決めている新叡王。年内に四冠、年度内に六冠の可能性もある。

 かつて羽生のトレードマークだった寝癖を思い出させるように、激闘を終えた藤井の髪の上部はふわりとハネていた。3つ目のタイトルを獲得し、偉大な先人の年少記録を塗り替えた19歳は「まだ全く実感はないですけど、フルセットは自分にとって初めてで結果を出せてよかったのかなと思います」と静かに言った。初タイトル獲得、そして二冠達成の時と同じように。

 敗れれば5度目のタイトル戦で初めての敗退となる一局。重い展開が続いた。振り駒で先手を引き、激しくなりやすい相掛かりに誘導したが、両者とも慎重な指し回しを貫く。互いに持ち時間が残り30分を切っても戦いは始まらなかった。「かなり難しい中盤が続いて、どうなっているのかなと…」

 終盤。豊島に明白な悪手はなかったが、気付けば形勢は藤井に傾き、両者一分勝負に突入すると挑戦者の勝勢になっていた。1990年代、棋界には「将棋は最後に羽生が勝つゲーム」という名句があった。本局は「羽生」を「藤井」に変えたような将棋だった。負ければデビュー6年目で最大の挫折となるはずの大勝負だったが、敗れ去る姿を最後まで想像させない強さがあった。

 「最後に藤井が勝つ」理由は、天性の才能と不断の努力だけではない。時代との完璧な並走にある。AIを用いた序盤研究の深さで語られるが、少年期からの詰将棋で培った圧倒的終盤力が最大の武器であることに変わらない。平成のアナログ力と令和のデジタル力の融合が若き三冠を生んだ。

 史上最年少、史上初の10代三冠も途中経過に過ぎない。28年前、22歳で三冠となった羽生は25歳で七冠独占を成し遂げている。局後の会見で「過去、三冠になられた方は本当に偉大な棋士ばかりなので光栄に思っています」と笑顔を見せた藤井は、八冠制覇の可能性を問われると、言葉を選びながらも「ひとつの理想のかたち」と語った。

 10月8日には王位戦、叡王戦から続く豊島との「十九番勝負」最終章として竜王戦七番勝負が開幕する。年内に四冠、年度内に王将と棋王を加えた六冠も夢物語とは言えない。

 もう「藤井が誰に勝つか」ではない。将棋界の関心事は「誰が藤井に勝つのか」に移っている。(北野 新太)

 ◆かわいいおやつ

 藤井は午前中のおやつに、叡王戦を主催する不二家の新商品「コロコロしばちゃん」を注文。スポンジとキャラメルクリームで仕上げたカップケーキで、食べるのが申し訳なくなるほど柴犬の顔がかわいい逸品だ。オーダー直後からツイッターのトレンドワード入りするなど話題を集めていた。

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