【阪神】セトップ22盗塁ルーキー中野拓夢の“上手さ”に迫る…成功率驚異の9割5分7厘

スポーツ報知
5月7日のDeNA戦で二塁盗塁に成功する中野

 阪神のドラフト6位・中野拓夢内野手(25)が19年の近本(阪神)以来、新人4人目の盗塁王へ突き進んでいる。アマ時代は盗塁に積極的ではなかったルーキーが、リーグトップ22盗塁と走りまくっている背景に「迫る」。(取材・構成=小松 真也)

 中野が筒井壮外野守備走塁兼分析担当コーチと交わした約束が現実味を帯びる。リーグトップ22盗塁で、成功率は驚異の9割5分7厘(成功22、失敗1)。過去の盗塁王の最高は、16年の山田(ヤクルト)の9割3分8厘(成功30、失敗2)で、中野はそれを上回る。

 だが、当初はこんな活躍が想像できなかった。今春キャンプの実戦で盗塁は失敗の連続(オープン戦では2盗塁)。プロの壁にぶつかったことが、挑戦のきっかけだった。

 筒井コーチ「最初に5連続で盗塁死したのかな。それで話し合った時に、拓夢が『社会人まで盗塁をそこまでしていない』と言うので『能力があるのに、もったいなさすぎる。いきなり大きな目標を言うけど、近本を脅かす盗塁王を獲得するぐらいの選手になろう』と伝えました。最初からうまくいっていれば、逆にここまで走れていない可能性が高いと思いますね」

 三菱自動車岡崎時代の野波監督も「弱気な面があった」と明かす。だから、躊躇(ちゅうちょ)せずスタートを切れるように意識改革した。走っていいカウント、場面についてミーティングが繰り返された。技術的にも、「スピードは近本の方がありますが、補う上でリードを広げました。入団時より、半歩から一歩大きくなった」(筒井コーチ)。

 そして、“失敗しない男”の最大の長所であり、その根拠は帰塁のうまさにあった。

 筒井コーチ「リードを広げるとけん制死を怖がり、スタートが遅れるデメリットがある。でも、拓夢は『行く、戻る』の判断が遅れない。内野手をやってきた点と反射神経の良さでしょうね。そこに『このカウント、状況でいく』という部分での思い切りが身についたから、盗塁死が少ないんだと思います」

 今春臨時コーチを務めた川相昌弘氏(スポーツ報知評論家)も「盗む能力と勇気がある。投手が本塁に投げるタイミングといった間(ま)をつかむのがうまい」と同調する。その強みを生かし、失敗せずに盗塁を量産している。

 首位のチームを足で引っ張る韋駄天ルーキーは「30盗塁はしたい。一番はチームが勝つことですが、タイトルも視野に入れてやっていけたら」と目標を掲げる。同期のD1位・佐藤輝、栗林(広島)らとの新人王争いで強烈な個性を放つ。

 ◆中野 拓夢(なかの・たくむ)1996年6月28日、山形・天童市生まれ。25歳。日大山形高2年夏に甲子園4強。東北福祉大4年時に全日本大学選手権優勝。三菱自動車岡崎を経て20年ドラフト6位で阪神入団。102試合で打率2割8分、1本塁打、28打点、リーグトップ22盗塁。171センチ、69キロ。右投左打。年俸800万円。

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