【日本ハム】今川優馬、プロ初安打がV弾 6人きょうだい長男「稼いで皆に裕福な思いさせてあげたい」

スポーツ報知
2回1死二塁、左越えにプロ初安打となる先制2ラン本塁打を放ちナインに迎えられる今川優馬

◆パ・リーグ 日本ハム3―0ソフトバンク(12日・札幌ドーム)

 今川がスタンドを見上げると、大好きな家族の笑顔が見えた。プロ初安打が初本塁打。初めて上がった札幌Dのお立ち台で「みんなが見に来てくれていたので打てました。これ以上ない幸せです」と感謝の思いを口にした。仕事で来られなかった次男を除く今川家6人も笑っていた。期待に応えた長男も白い歯をこぼした。

 「今までの野球人生で一番完璧だった」。4月に1軍に昇格も11打数無安打のまま、新型コロナウイルスに感染し離脱した。7キロ痩せた体をつくり直し、再出発。脳振とう特例で登録抹消された近藤の代替指名選手として、この日昇格した。5か月ぶりのチャンスに「全てをかけた」という2回の第1打席。和田の内角低めの直球をすくい上げ、推定135メートルの特大2ランを左翼席上段にたたき込んだ。

 男5人、女1人の6人きょうだいの長男だ。大学時代は、札幌市内の焼き肉店・徳寿藻岩店でアルバイト。皿洗いや肉の盛りつけで稼いだお金で、弟たちの野球道具を購入し家計を支えた。「家族を早く楽にさせてあげたい」と臨んだ18年ドラフトでは指名漏れ。社会人に進むと、毎年弟たちにお年玉を渡し、プロ入りの契約金では「好きなだけ食べてほしい」と家族全員に焼き肉をごちそうした。現在も食べ盛りの弟たちの食費をサポートしている。

 同じ6人きょうだいで、往年の人気アニメ「巨人の星」の左門豊作をほうふつさせる“孝行長男”。将来は父に車、母に平屋の一戸建てを買ってあげるのも夢の一つという。実現はしていないが「もっとお金を稼いで皆に裕福な思いをさせてあげたい。もっともっといいところを見せたい」と貪欲だ。初本塁打の記念球は大事そうに右のポケットにしまった。「母さんが『いつ打つの?』ってずっと言っていたのですぐ渡します。絶対に泣きます。涙もろいんですよ、今川家は」。長男の目も少し潤んでいた。(秦 雄太郎)

 ◆左門豊作 昭和の名作野球アニメ「巨人の星」(原作・梶原一騎、画・川崎のぼる)の主人公・星飛雄馬のライバル。両親を亡くして親戚宅に身を寄せながら、2人の妹と3人の弟を養うためにプロを目指し、大洋(現DeNA)の強打者として飛雄馬の魔球「大リーグボール」攻略に心血を注ぐ。熊本弁にメガネ姿の素朴なキャラクターで、同じく飛雄馬のライバルで財閥の御曹司である阪神のスラッガー・花形満とは対照的な存在として描かれている。

野球

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請