宝塚花組・水美舞斗“銀ギラギンにカッコよく”10日に千秋楽

スポーツ報知
エンディングで、電飾付きの輝くシルバースーツで決める花組・水美舞斗

 宝塚歌劇花組「銀ちゃんの恋~銀ちゃん、本日も反省の色なし~」(潤色・演出、石田昌也)の大阪公演(梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)が10日に千秋楽を迎える。“黄金世代”第95期生の一角を担う花組2番手・水美舞斗(みなみ・まいと)が、入団13年目で念願の外部劇場初主演。自己中心派の映画スター・倉丘銀四郎を文字通り“銀ギラギンにカッコよく”に熱演し、舎弟・ヤスを演じた飛龍つかさは“いぶし銀”の持ち味を発揮している。(ペン&カメラ・筒井 政也)

水美の魅力にぴったり 横浜公演に続いて大阪でも完走間近の「銀ちゃんの―」は、名戯曲家・つかこうへいさんの直木賞受賞作「蒲田行進曲」の宝塚バージョン。プライドの高い映画俳優・銀四郎が、妊娠させた恋人・小夏は躍進の邪魔とばかり、舎弟の大部屋役者・ヤスに押し付けて結婚させることにするが―。1982年公開の映画では、銀四郎を風間杜夫、小夏を松坂慶子、ヤスを平田満が演じ、大ヒットした。

 宝塚では96年に月組トップ・久世星佳で初演。08年の花組では当時2番手の大空祐飛が主演し、宙組でトップになった10年にも全国ツアーで再演した。いずれも格のあるスターが演じてきた銀四郎に、今回は11年ぶり4度目の上演で“花男No.2”の水美が挑んだ。

 銀幕スターとして確かな華と力がある銀四郎の、劇中劇でのたたずまいは、男臭さときらめきを併せ持つ水美の魅力にぴったり。「新選組血風録」の土方歳三に扮する場面は、侍ものが他組に比べて少ない花組では新鮮で、そのまま水美主演で「誠の群像」(97年・星組、18年・雪組)で見たいと思わせるほどだ。銀ちゃんのド派手な普段着も板に付いているのは、豊富なキャリアのなせるわざ。

 銀ちゃんはまた、わがままかつ無邪気な反面、寂しがり屋で情けない一面もあり、その様も繊細に表現した。これまでは主人公の相棒や仲間、そしてパワフルなダンサーという印象が強かった水美だが、芝居の真ん中に立ったことで役者としての成長ぶりも示した。

「男役10年」飛龍の個性 ヤスを演じた飛龍も、進化が止まらない男役だ。「はいからさんが通る」の牛五郎役、「NICE WORK IF YOU CAN GET IT」のデューク役と、三枚目の弟分役で快演を連発してきたが、本作では“裏主役”ヤスの揺れる心情をペーソスたっぷりに醸し出し、物語にグイっと引き込んだ。12年入団。宝塚では「男役十年」の格言があり、一人前になる節目の年だ。群雄割拠の宝塚で、個性を身に付けたのは大きな武器になる。

 ちなみに10年の宙組版でヤスを演じたのは、当時13年目で、のちに専科を経て星組トップスターに上り詰めた北翔海莉(ほくしょう・かいり)。二の線ももちろんいける飛龍にも、さらなる上昇を期待したい。

 銀四郎、ヤスと複雑な三角関係となる小夏には、まだ3年目の星空美咲が抜てきされた。コロナ禍で新人公演がない時期があったとはいえ、新公ヒロイン経験がないまま、「PRINCE OF ROSES」(今年1、2月・宝塚バウホール)に続くヒロイン抜てきは大出世だ。元売れっ子女優という設定で、大人びた雰囲気が要求されたが、落ち着いた演技で応え、ヤスとの新婚生活で幸せそうな表情を見せる場面では、柔らかさも感じさせた。花組は新トップ娘役に前宙組トップ娘役の星風まどかが就任したばかりだが、“花娘”が並ぶ光景は、さらに新鮮に映りそうだ。

 10日の千秋楽(午後1時開演)は「Rakuten TV」「UーNEXT」でライブ配信される(視聴料3500円、税込)。

芸能

宝塚歌劇特集
NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請