森保ジャパンの生命線「攻守の切り替え」復活 地味だからこそ迷ったとき道を見失うことは少ない…記者の目

前半40分、先制ゴールを決めた大迫(中央)に駆け寄り喜んだ日本代表イレブン(C)JFA
前半40分、先制ゴールを決めた大迫(中央)に駆け寄り喜んだ日本代表イレブン(C)JFA
中国に勝利しハイタッチでたたえ合う森保監督(C)JFA
中国に勝利しハイタッチでたたえ合う森保監督(C)JFA

◆カタールW杯アジア最終予選 日本1―0中国(7日、カタール・ドーハ)

 7大会連続のW杯出場を狙う日本代表は1―0で中国を破り、最終予選初勝利を挙げた。新型コロナの影響による渡航制限のため中国開催ではなく、中立地のドーハで行われた一戦。前半40分、FW大迫勇也(31)=神戸=が決勝点を奪った。1勝1敗でB組4位の日本は、10月にサウジアラビア(アウェー)、オーストラリア(ホーム)と対戦する。初戦のオマーン戦(2日)で敗れた窮地から、「攻守の切り替えが生命線」という立ち返る場所を見つけた森保ジャパンを、日本代表担当の金川誉記者が「読み解く」。

 負ければW杯が遠のく一戦で、何をすべきか。そんな選手たちの思いが、開始直後から伝わってきた。前半1分、MF古橋が鋭い守備への切り替えでボールを奪いきった。同2分には中盤でボールを拾った中国選手に、MF久保が絶対に前を向かせない、という激しい守備で食らいつき、ファウルとなったが相手の攻撃を分断した。初戦はベンチスタートだった2人のプレーから、DF吉田が「攻守の切り替えが、自分たちの生命線」と語った。オマーン戦の痛い黒星を受け、選手だけのミーティングでも強調したことが、浸透していることを感じさせた。

 全員が自陣に引きこもった中国の消極策は目立った。それでも、日本がオマーン戦では緩んでいた「攻守の切り替え」への意識を高めたことが、最後まで中国に隙を与えなかった要因だ。森保監督は試合後の会見で「全員が集中力高く、クオリティーにこだわり、球際の攻防で強度高くやってくれたのが結果につながった」と振り返った。この勝利で選手たちは、自分たちが立ち返る場所=攻守の切り替えの徹底、という点を実感したのではないか。

 オマーン戦の敗戦で批判も受けた森保監督は「私の職については、一戦一戦、生きるか死ぬかがかかってると思っている」と話した。W杯の連続出場を途切れさせるわけにはいかない、という重圧は、監督、そして選手たちとって重かったはずだ。追加点を奪えなかった攻撃のバリエーション不足など、課題も浮き彫りになった。だが、初戦の失態からわずか4日間で立ち直った経験は、選手、そして森保監督にとっても大きい。

 日本代表が目指すサッカーとは。長年語られるテーマで、印象的なのは2014年ブラジルW杯。パスで主導権を握る攻撃的なスタイルを、選手たちは「自分たちのサッカー」と表現し、世界の壁にはね返された苦い記憶だ。当時と比べると、攻守の切り替えで相手を上回るという“生命線”は、地味で、基本的なことなのかもしれない。ただ地味だからこそ、迷ったときに道を見失うことは少ないはず。10月はここまで2連勝のサウジアラビア、オーストラリアと対戦する。吉田が「前半戦の鍵」とするライバルとの2連戦で、その真価は試されることになる。(金川 誉)

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