「史上最大の改編」から3年…フジテレビ復活のカギ握る土曜夜のお笑いバラエティーへの回帰

スポーツ報知
土曜夜にフジテレビが復活させるお笑いバラエティー枠のカギを握る「霜降り明星」のせいや(左)と粗品

 やはり、このテレビ局は1982年から93年まで12年連続で視聴率「三冠王」を続けた時代のキャッチフレーズ「楽しくなければテレビじゃない」という原点に戻っていくのか―。そんなことを思った秋の番組改編だった。

 6日、オンラインで行われたフジテレビの10月期改編会見。「家族そろってフジテレビ~DEEPなテレビ体験を!~」をキャッチフレーズとした今回の改編率は全日(午前6時~午前0時)5・7%、ゴールデン(午後7時~10時)23・3%、プライム(午後7時~11時)24・3%と中規模なものに。

 今年7月に就任したばかり。キー局初の女性編成部長誕生と話題を呼んだ中村百合子氏は「テレビは個で見る時代と言われる今だからこそ家族そろってフジテレビを見ていただきたい。思い切り感情が動く深い体験をテレビでしていただきたいという思いを今回の改編に込めました」と説明。

 「テレビで最高に笑った、テレビでめちゃくちゃ感動した、そう思っていただける番組。何よりフジテレビって、やっぱり楽しいと思ってもらえる番組作りをしていきたいと思います」と気合を入れた。

 今回の改編の目玉は「笑いの土曜日!」と銘打った土曜ゴールデン帯の大改造。現在放送中のバラエティー「超逆境クイズバトル!!99人の壁」(土曜・午後7時)をレギュラー放送から不定期放送に。後番組には「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」(土曜・午後8時)を据える。

 「―ドッキリGP」は東野幸治、小池栄子がMCを務め、芸能人が考案した「ドッキリ」を芸能人たちに次々と仕掛けるバラエティー。現在の放送時間を1時間早め、土曜午後7時からの放送となる。

 空いた土曜午後8時には、チョコレートプラネット、霜降り明星、ハナコがメインキャストを務めるコント中心のお笑いバラエティー「新しいカギ」を金曜午後8時から放送枠変更する。

 「土曜8時」と言えば、私もかぶりつきで視聴してきた伝説のバラエティー「オレたちひょうきん族」(1981~89年)の枠。その後も長寿番組「めちゃ×2イケてる!」(96年~18年)を生み出した伝統のバラエティー枠だ。

 「『週末はフジテレビで笑う体験を』が狙いです。土曜の親子視聴を増やしたいと思います」と改編の理由を説明した中村氏。「土曜のこの枠は数々の伝説的なバラエティーが誕生した土曜日のレガシーを引き継ぎながらも縦の流れを強化していきたいと思います」と続けた。

 その言葉を聞いた時、私の記憶は3年前の18年4月改編会見にさかのぼった。

 現在、2020年度(2020年4月~2021年3月)の個人視聴率でも全日、ゴールデン、プライムともキー局中4位と低迷するフジ。18年4月の改編時も現在と同様に低迷していたが、17年6月に就任した宮内正喜社長(当時)の「視聴率を上げて業績を回復する」という大号令のもと、全日28・2%、ゴールデン29・8%、プライム29・5%の「史上最大の改編」を断行。3月いっぱいで30年続いた「みなさんのおかげでした」、22年続いた「めちゃイケ」という看板番組まで終了させ、世間をあっと言わせた。

 あれから3年。後番組に据えた「―99人の壁」を終了させての大型お笑い番組設置に同局の並々ならぬ決意を感じたから、パソコン画面の向こうの中村氏に聞いた。

 「『めちゃイケ』、『みなさんのおかげでした』などを終了させた18年の史上最大の改編から3年。今回、かつての『めちゃイケ』の枠に『新しいカギ』を据えるのは、伝統のお笑いバラエティー枠への回帰と思っていいのか」―。

 メガネの奥の目をギラリと光らせた中村氏は「土曜8時は『ひょうきん族』『めちゃイケ』とフジテレビの大ヒットであったバラエティーはすべて、この土曜日から生まれているブランドのある枠でございます。その枠をヘソにしながら、ある意味、令和の新しい笑いの幕開けという意気込みで新番組を整えました」と、まず答えた。

 その上で「『ドッキリ』も『新しいカギ』も学校で話題になる、そこから社会現象になっていくというような形で、これを見ないと話題についていけないというように成長していって、フジテレビの土曜日はやっぱり面白いなと思ってもらえるようにしたい」と続けた。

 重ねて「両番組の作り手たちの思いは?」と聞いた私に「―ドッキリGP」の蜜谷浩弥チーフプロデューサーは「テレビって面白いなと思ってもらいたいという大きな気持ちで作ってます。自分もスタッフも土曜と言えば、フジテレビの番組を見ていた世代なので、意識するというか、超えていきたいと思ってます」と気合のコメント。

 「新しいカギ」の矢崎裕明チーフプロデューサーも「私自身もフジテレビのコント番組を見て育ったところもあります。私以下の若い世代も番組を見て、学校で盛り上がっていたスタッフが集結しています」と振り返った。

 そう、フジのお笑いの「レガシー」を引き継ぐのは「ひょうきん族」などを見て育った新世代の作り手たちと「お笑い第7世代」のチョコプラ、霜降り明星、ハナコたち。

 勝負の改編でお笑い界のこれからを担う若い才能を土曜の夜に集結させたフジテレビ。「楽しくなければテレビじゃない」時代の復活はなるのか。答えは、この秋に出る。(中村 健吾)

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