日本高野連は5日、大阪・摂津市の関大北陽グラウンドで、新基準金属バットの実打撃試験を実施した。年内か年明けに「飛ばないバット」の基準を定め、2年の猶予期間を経て、2024年からの完全移行を目指す。
木製バット、一般的な現行バット、米国基準の基本バットに加え、打球部の肉厚が3・8~4・4ミリと異なる4種類の新規試作バット(直径は従来より3ミリ減の64ミリ)のデータを同校の部員の協力を得て測定した。
同校の山田悠平投手(3年)は「今まで使っていた金属バットより打球の伸びがない。はじき方が硬い。(肉厚が厚くなるにつれて)打球が飛ばなかった。振り抜きやすいバットが少なかった。木に近いので、コンパクトに振らないといけない」と違いを明かした。
日本高野連の日下篤・技術・振興委員長は「反発を木製に近い反発に変えていかないといけない。求めていたことが数字で出た。一歩前進できた。バットの飛びが従来より悪くなる。本来の野球に戻るんじゃないか」と説明した。
金属バットの性能見直しは、2019年夏の甲子園で、岡山学芸館の投手が打球を顔面に受けて骨折したことを機に、同年9月に投手保護や投打バランス均衡の観点などから着手した。