里見紗李奈、初代女王 きっかけは父の“強制連行”

スポーツ報知
女子シングルス(車いすWH1)決勝の第3セット、得点を奪いガッツポーズをする里見紗李奈。金メダルを獲得した

◆東京パラリンピック バドミントン女子シングルス車いすWH1(4日、東京・国立代々木競技場)

 女子シングルス(車いすWH1)決勝で里見紗李奈(23)=NTT都市開発は、スジラット(タイ)を2―1で下し、今大会で採用されたバドミントンで日本勢初の金メダルを獲得した。同決勝(上肢障害SU5)で敗れた鈴木亜弥子(34)=七十七銀行=は銀メダルを獲得。男子シングルス(車いすWH2)は梶原大暉(19)=日体大=が決勝進出を決め、銀メダル以上を確定させた。パラリンピックは13日間にわたった熱戦を終え、きょう5日閉幕する。

 悲願の金メダルが決まると、里見は左拳を握り、あふれ出た涙を何度もぬぐった。宿敵スジラットを逆転で撃破。表彰式ではメダルを首に掛けられ、「自分が表彰台の真ん中に立てていることが不思議な気持ちでした。信じられないくらいうれしい。夢みたい」と満面の笑み。新採用のバドミントンで、初代女王の座に就いた。

 何度も窮地に立たされた。第1ゲームは14―21で失い、続く第2ゲームも一時は9連続失点で15―18と苦戦。それでも体を反らしてクリアする得意の「のけぞりショット」など泥くさく球を拾い続け、得点にげた。「弱気になってしまったけど、やるしかなかった。ガムシャラにやっていこう」と無我夢中だった。

 高校3年だった2016年5月に車の助手席で交通事故に遭い、脊髄損傷で腰から下が動かなくなった。「率直に車いすの自分を受け入れられなかった。人に会いたくなかった」。ふさぎ込む中、リハビリの一環で父が勧めたのがパラバドミントンだった。最初は拒否したが、“強制連行”されると、徐々に熱中。「今はめちゃくちゃ(父に)感謝してる。私一人だったら絶対入ってなかった世界」。競技歴わずか2年半で19年世界選手権で初優勝を飾るまでに成長した。

 単複世界ランキング1位の里見は、5日には単銅メダルの山崎悠麻(NTT都市開発)と組むダブルスで決勝に挑む。「ダブルスは悠麻さんが隣にいるだけで緊張より楽しいが勝つ。(山崎に)金を取らせてあげたいし、2人で金を取りたい。必ず初代女王になれるように頑張ります」。歴史の扉を開けた23歳が、最高の形でパラリンピックの最終日を締めくくる。(竹内 夏紀)

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