人気番組も惜しげもなく終了…視聴率3冠王・日テレ、衝撃の秋改編のキーマンは「かまいたち」

スポーツ報知
日本テレビの10月改編で自らが顔となる番組2本がスタートする「かまいたち」の山内健司(左)と濱家隆一

 2日にオンラインで行われた日本テレビの10月番組改編会見直前に配布された新たなタイムテーブル。すでに各スポーツ紙でそれぞれの番組終了のニュースは伝えられていたが、慣れ親しんできた多くの番組名が一気に消滅。一変した番組表に、私は一抹の寂しさと喪失感を覚えた。

 2020年度(20年4月~21年3月)も個人視聴率3冠王に輝いた同局だけに今回の改編率は全日(午前6時~午前0時)5・6%、ゴールデン(午後7時~10時)5・7%、プライム(午後7時~11時)18・6%。前回4月改編の全日9・5%、ゴールデン9・2%、プライム19・0%と比較しても小規模なものとなった。

 しかし、秋改編のカギはプラチナ帯と呼ばれる深夜枠(午後11時から翌午前1時)の動きにあった。

 中でも17年4月開始の「ウチのガヤがすみません!」(火曜・午後11時59分)と13年4月開始の「有吉反省会」(土曜・午後11時半)。私自身、毎週楽しみに視聴してきた番組名の消滅に、思わずパソコン画面の向こうの田中宏史編成部長に聞いていた。

 「2番組とも高い人気を誇ってきた番組だけに終了に当たっては局内でかなりの議論があったのか?」―。

 田中氏は「それぞれ総合的に判断させていただいたということです」と答えた上で「『ウチのガヤ』に関しましては17年4月から放送させていただいて、ヒロミさん、フットボールアワー・後藤(輝基)さんのMC陣、ガヤ芸人と言われた芸人さんやスタッフに本当に感謝しております。『有吉反省会』も約8年間、放送させていただいて、有吉(弘行)さん始め出演者、スタッフに本当に感謝しております」と続けた。

 多くのガヤ芸人が「密」状態で収録に参加してきた「ウチガヤ」、売り物の海外ロケに制限がかかっていた「アナザースカイ」の終了には昨年から続く新型コロナ禍も明らかに影響していると私は見る。

 その一方で“勝ち組”日テレには、各局が個人視聴率という新指標のもと奪い合う、いわゆるファミリーコア層(男女13~59歳)をつかみ取るための、したたかな戦略もまたある。

 この日、「視聴者は当然、テレビを見てくれているだろうという前提から離れ、生活者の皆さんにテレビをつけ、日本テレビを選択いただく。さらにファンになっていただくという思いを込めた『OFFからONへ、ONからFANへ』というテーマで改編に臨みました」と明かした田中氏。

 新たなスタートのカギを握るコンビがいる。「ウチガヤ」、「有吉反省会」の後番組としてスタートするのが、ともにお笑いコンビ「かまいたち」がMCを務める2番組。「ウチガヤ」の後継が「超無敵クラス」、「有吉反省会」の後継が「千鳥かまいたちアワー」。「超無敵―」では指原莉乃とともにMC。「千鳥―」は、こちらも各局で引っ張りだこの「千鳥」と4人で進行役を務める2人が日テレ肝いりの新感覚バラエティーのキーマンとなる。

 他局でも新番組が始まる人気コンビの2番組への起用に驚かされたので、そのまま田中氏に聞いた。

 「かまいたちが一気に2番組の顔となるが?」―

 「それぞれの企画でトライアルを重ね、(レギュラー化前の特番放送で)視聴者の皆様から高い支持をいただいた。そこから今回、編成に至ったという形です」と、編成の中心人物は新番組への期待を明かした。

 日テレ秋の大改革は、さらに続く。08年10月スタートで13年間にわたって放送されてきた「アナザースカイ」(木曜・深夜0時59分)、11年4月の深夜番組時代を含め、10年間放送された「幸せ!ボンビーガール」(火曜・午後10時)の長寿2番組も終了。05年4月から16年間放送された「おしゃれイズム」(日曜・午後10時)も10月から「おしゃれクリップ」にリニューアル。日曜午後9時の人気番組「行列のできる法律相談所」のタイトルも10月から「行列のできる相談所」に変更される。

 「行列―」の番組名変更について、田中氏は「今年4月で番組スタートから20年目を迎えました。節目となる年に法律だけでなく、旬な話題を幅広く扱い、王道のエピソードトークバラエティーとして、パワーアップすべく、今回のタイトル変更となりました」と、その理由を説明した。

 「生活者ファースト」の旗印を掲げ、「より多くの人に、より良い番組を見てもらう」という狙いのもと、テレビの価値最大化、可能性を広げる番組編成を目指した今回の改編。テレビを見ない人、見なくなってしまった人にまで、まずはテレビをつけて視聴してもらえることを目指して、まだまだニーズのある人気番組も終了させ、今が旬の人気者にかけた日テレ。

 そこにはライバル局だけでなく、Netflix(ネットフリックス)やAmazonプライムなどの動画配信サービス、さらにはYouTubeとの戦いまで視野に入れたサバイバル戦略がある。

 変化していかなければ決して生き残れない―。数々の人気番組を惜しげもなく終了させた勇気ある改編に私は心底、しびれた。(記者コラム・中村 健吾)

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