“やったもん勝ち”の歴史、猪木、ホーガンが載ったUWF旗揚げポスター…金曜8時のプロレスコラム

1984年4月11日、大宮スケートセンター前に貼られたUWF旗揚げポスター。下の全日本プロレスのポスターも気になる(C)クエスト
1984年4月11日、大宮スケートセンター前に貼られたUWF旗揚げポスター。下の全日本プロレスのポスターも気になる(C)クエスト

 昭和のプロレス史に残る歴史的ポスターの資料写真が出てきた。1984年4月11日・大宮スケートセンターで旗揚げされた第1次UWF(ユニバーサル・プロレスリング)のオープニング・シリーズのポスターだ。“世界初のプロレスビデオ”と呼ばれる「激闘!UWF旗揚げ」が「The Memory of 1st U.W.F. vol.1」(5000円+税)として復刻された時に、製作・販売のクエスト(本社・新宿区)から提供されたものだ。

 先週もこのDVDにまつわる資料で、エースの前田日明が「UWF」と書かれたWWF(現WWE)インターナショナルヘビー級のチャンピオンベルトを腰に巻いている写真を紹介したが、この特異なポスターについての書き込みがコメント欄にあふれたため、避けて通る訳にはいかなくなった。

 新日本プロレス専務取締役営業本部長だった新間寿氏(現ストロングスタイルプロレス会長)が、“クーデター”によって解任され、旧UWF旗揚げに至った情念がこのポスターににじみ出ている。メインの写真はレスラーではなく“背広組”の新間氏がマイクを持った姿。「今、新しいプロレスが始まる」「私は既に数十人のレスラーを確保した」「新間寿 復活宣言 私はプロレス界に万里の長城を築く」というキャッチコピーが躍る。

 「WWF加盟プロモーター」という箔(はく)付けのもと、出場候補レスラーの顔写真が並ぶ。アントニオ猪木、タイガーマスク(初代)、ハルク・ホーガンら、当時の新日本のオールスターが網羅されている。歴史的資料として列記しておく。猪木、タイガー、前田、ラッシャー木村、マサ斎藤、剛竜馬、藤原喜明、高田伸彦、長州力、アニマル浜口、キラー・カーン、タイガー戸口。外国人は、ホーガン、アンドレ・ザ・ジャイアント、ローラン・ボック、ボブ・バックランド、ディック・マードック、アドリアン・アドニス、ポール・オーンドーフ、アブドーラ・ザ・ブッチャー。

 作った者勝ち、やったもん勝ちがまかり通った昭和のプロレス興行の極致。このポスターを作ったのがクエスト創業者の木暮優治さんだった。木暮さんは、18年6月5日に65歳で亡くなっているが、後継者の山口一也社長(58)は「キャッチフレーズを考えたのも木暮でした」と話す。よく見ると顔写真の集合体の背景に「?」がデザインされている。木暮さんは、新日本プロレスのパンフレット「闘魂スペシャル」を手がけ、会場売りでしかなかったプロレス興行のパンフレットを全国の書店で初めて販売したプロデューサー。新間氏に請われる形で、UWF旗揚げに関わり、ポスター、パンフレット、ビデオソフトを製作した。

 山口氏によると、このポスターの風景写真は、大宮の旗揚げ当日にファンがながめているスナップ。出場候補選手の中から実際にこの日の会場に登場したのは、前田、木村、剛、高田だけだった。だが、旗揚げ戦のビデオ化から始まったクエストのUWF映像は、DVDの時代になった現在もシリーズ化され続け、第1次シリーズは「木暮優治顕彰シリーズ」と名付けられるなど、第2次UWF、UWFインターナショナルまで、UWF12年の歴史がDVD45巻になっている。今月18日からは「U.W.F.インターナショナル熱闘シリーズ」(全10巻)が続々リリースされる予定だ。

 あのポスターに載っていた選手の中で、第2次時代にボブ・バックランドが、Uインター時代に長州力がUWFのリングに上がったという歴史的事実も付記しておきたい。(酒井 隆之)

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