子ども乗せ電動アシスト自転車で子どもを放置し離れる親…超危険なので絶対やめて!

スポーツ報知
子どもを乗せるだけでなく、夕飯材料などの買い物類満載も子供を乗せた自転車の日常だ(写真はイメージで本文とは関係ありません)

 幼稚園、保育所への送迎などで年々、子育て世帯での電動アシスト自転車の需要が高まっている。一方で、転倒しこどもが救急搬送される事故が増加している。改めて子どもを乗せる際に注意すべき点などを関係者に取材した。

 前回のコラム「子ども乗せ電動アシスト自転車の”暴走かあちゃん“に『怖い』の声…歩道でうまく共存するには?」へのコメントで、電動アシスト自転車に子どもを乗せたまま、親が自転車から離れた場面を目撃したという声が多く寄せられた。なかには、危なすぎて見ていられず「親が戻るまでそばで見守っていた」という声もあった。記者自身も、頻繁に目にする光景だ。寝ている子どもを乗せたまま親がそばを離れている場面もよく見る。長時間の放置は論外だが、保育園の迎えの際に一瞬手と目を離した瞬間に自転車が倒れた実際の事故の映像も消費者庁ホームページで公開されている。

 しかし、これは極めて危険な行為だ。子どもを乗せた自転車の事故で救急搬送された子どもの人数は、7年間で1443人(2011年1月~17年12月までの統計)。約8割が停車中の事故で、そのうち9割以上が転倒によるけがだった。「ちょっとスーパーで買い物するから待っててね」「ちょっとコンビニへ」というその「ちょっと」が多くの悲劇を生んでいるのだ。シートベルトをして身動きもできない子どもが、そのまま転倒し地面に頭を直撃したら、大きなダメージは避けられない。

 本体が重く、子ども2人と親の体重が加われば100キロを超す電動アシスト自転車。重いので倒れにくいと思われるかもしれないが、それは全くの誤解だ。自転車本体にさらに、重い子ども用シートや雨カバーなどを付け、場合によっては買い物袋や園の道具などの荷物をハンドル部分につり下げてある自転車は非常に不安定で、じっとしていられない子どもを乗せた状態で親が手を離したら、すぐに倒れてしまうのだ。

 だからこそ、自転車に乗せる前にヘルメットをすることが子どもを重大なけがから守る一番効果的な方法だ。消費者庁は、東京、大阪、神奈川の15の幼稚園・保育園の協力のもと、ビデオでヘルメット着用率を調査した。その結果、47.2%の子どもがヘルメットを着用。半数以上の子どもがヘルメットを装着していない現状が明らかになった。関係者は「とにかく乗せる前にヘルメットをお子さんに着用させることを一番気をつけてもらいたい」「実際には小さいお子さんだと走り回っちゃってなかなかヘルメットをかぶせるのも大変だっていう現実的な声としてあるんですけれども、本当に停車中に子どもを乗せた状態で保護者が手を離すとよく倒れるので」と、子どもにヘルメットを装着させることの大変さを理解した上で、警告する。

 消費者庁は事故増加を受け、今年1月に事故防止のためのリーフレットを作成。「まずヘルメットをかぶせる!→乗車させる→シートベルトをしっかり締める」「ヘルメットは、必ず、子どもを自転車に乗せる前に装着!」とヘルメットの重要性や、「前の座席でのケガは、後ろの座席の約6倍」などを強調。転倒を防ぐために「荷物は左右バランスよく」「停車する場所のわずかな傾きにも注意」「点検時にはスタンドのぐらつきなどもチェック」「自転車に子どもを乗せたら、決して目や手を離さず、いつでも支えられる体勢でいること」などを呼びかけている。

 走行中の注意としては、段差での事故が多発しているといい「段差5センチを乗り越えて走行することは転倒リスクが高いことを認識し、極力回避すべき」と警鐘を鳴らしている。

 子ども連れでスーパーなどに入ると、走り回るし大変だ。しかし、自転車に乗せたままそばを離れることは子どもの安全を守るために絶対にやめてほしい。(記者コラム)

※参考資料 消費者庁HP「幼児同乗中の電動アシスト自転車の事故」

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