和田伸也、アジア新記録で1500M銀 5000M銅に続くメダル 五輪入賞の田中希実から力もらった

スポーツ報知
陸上男子1500メートル(視覚障害T11)で銀メダルを獲得した和田伸也(右から2人目)と4位入賞の唐沢剣也(同3人目)は、日の丸を手に笑顔

◆東京パラリンピック 陸上男子1500メートル・視覚障害T11決勝(31日、国立競技場)

 陸上男子1500メートル(視覚障害T11)で、5000メートル銅メダルの和田伸也(44)=長瀬産業=が4分5秒27のアジア新記録で銀メダルを手にした。

 ゴールから1分半、膝をついたまま立ち上がれない。死力を尽くした。和田は自己記録を狙える好ペースで序盤から2位を維持した。終盤、27歳のRPC選手の足音が迫ったが「アカン。死んでもゴールを先に駆け抜けよう」と、「乳酸バキバキ」「ケツパンパン」になりながら飛び込んだ。アジア記録更新で2個目のメダル獲得。表彰式では、伴走者の長谷部匠さん(24)と銀メダルを互いの首に掛け合い、「いい締めくくりができて良かった」と今大会で区切りをつけるトラック種目の集大成を最高の笑顔で飾った。

 前回大会は出場3種目メダルなしに終わり、「勝負にならなかった」と振り返る。18年に点字図書館を退職し、長瀬産業と契約。アスリート雇用で報酬を受け取るプロとして競技に専念する環境が整った。「競技者として救ってくれた社長は命の恩人」と、より一層の覚悟を胸に、地元の市民ランナーにも伴走してもらいながら練習に励んできた。

 大会前の7月にはパワーをもらった出会いも。北海道・千歳市での合宿で、東京五輪陸上女子1500メートルで8位入賞した田中希実(21)=豊田自動織機TC=と顔を合わせ、「頑張ってください」と言葉をもらった。田中の活躍に一段と士気は高まり、「目標の4分には届かなかったけど、自己ベストが出せて良かった」と快挙を達成してみせた。

 衰え知らずの走力と向上心を持ち、「44歳ってことを忘れてたくらい」とおどけたベテラン。パラ陸上長距離界を引っ張り続けた第一人者は、大会最終日のマラソンでも底知れぬ力を発揮する。(小口 瑞乃)

 ◆和田 伸也(わだ・しんや)1977年7月9日、大阪・寝屋川市生まれ。44歳。大阪・生野高2年時に網膜色素変性症のため視力が低下し、大学時代に全盲となった。28歳で陸上競技を始め、2012年ロンドン大会で男子5000メートル銅メダル、16年リオ大会は6位。マラソンで両大会5位。20年関東パラで15分11秒79の5000メートル日本記録樹立。18年に点字図書館から長瀬産業に転職し、プロ契約。176センチ、62キロ。

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