ガールズケイリンの久米詩が人気、実力ともに上昇中・・・父は元S級レーサー

ガールズレーサー3年目の久米詩
ガールズレーサー3年目の久米詩

 ガールズケイリンで静岡所属の期待のレーサーがいる。デビュー3年目の久米詩(21)=116期=だ。オールラウンダーとして今年はすでに5回優勝するなど力も付けてきており、人気も急上昇している。父・康徳さん(48)は元S級レーサー(70期)で、日本競輪選手養成所(修善寺)で教官を務める。久米は今年末に地元・静岡競輪場で行われるガールズグランプリの出場権獲得へ、ラストスパートをかける。

 ガールズレーサーになって3年目。高校まで関西で過ごした久米は、競輪選手養成所を卒業してから伊豆の国市に移った。中高時代は硬式テニスに打ち込んだ。高校3年夏だった。進路で悩んでいた時、父の助言で競輪の道を選んだ。

 「はじめは大学進学を考えていたけど、頭の片隅に競輪選手もあってそんな私の背中を押してくれたのが父でした。元々スポーツは好きだし、“プロ”への憧れはありました」

 父はS1まで上り詰めたトップレーサー。競輪選手の長女として育ったが、競輪用の自転車に乗ったことはなかった。それでも、初めてバンクに入った時は、傾斜を怖いとは思わなかった。養成所には適性試験で一発合格。父譲りのセンスを受け継いでメキメキ頭角を現した。2020年には、デビュー2年未満の選手で争うガールズフレッシュクイーンで優勝した。デビュー当時は先行、逃げ切りの形にこだわってきたが、最近は状況に合わせた柔軟な戦法もできるようになり、勝利も増えてきた。8月中旬のファン投票によるガールズケイリン総選挙では11位となるなど人気も出てきている。

 「しっかり考えてレースができていると思う。ただ、脚力、スタミナ、まだまだ底上げが必要です」

 洋服には無頓着だという。ブランド物にも、あまり興味はない。友人はほとんどが関西で、コロナ禍もあって会えないのが目下の悩みだ。

 「お化粧もしないし、物に対するこだわりがあまりないので、お金はたまる一方です(笑)。趣味? うーん、暇なときに、ネットフリックスで映画を見ることかなあ。でも、一番見るのは競輪。開催しているガールズレースは必ず、見ます。次に対戦する時の参考にしてます」

 日夜ライバルの走りを研究するほど、今は競輪に夢中だ。年末には、3年ぶりに静岡競輪場でKEIRINグランプリが開催される(28~30日)。初日に行われる年間の最強女王を決めるガールズグランプリは、賞金ランキング上位者など7人が出場できる。賞金ランク14位(8月27日現在)で厳しい位置にいるが、静岡所属選手として参加したいという思いはある。

 「乗れるなら、乗りたい。周りからも、せっかくの地元開催なので、乗ってほしいと、声をかけてもらいます。ただ、自分としては、ここから2年は実力を付けたい。そして、毎年、グランプリに乗れるような選手になりたいです」

 今の自分の立ち位置を冷静に見つめている。現在は、競輪養成所の教官を務める父と同じマンションの棟に住んで、食事の面は母の協力をもらっている。前節の松阪(23日最終日)では今年5度目の優勝、次戦は、来月3日から開催される静岡競輪場でのレースに臨む。

 「静岡では優勝がないので頑張りたい」

 可能性がある限りグランプリ出場を目指し、久米がバンクを駆け抜ける。(塩沢 武士)

 〇・・・久米が今、気になるスポーツ選手が東京五輪柔道で金メダルを獲得した阿部詩(21)=日体大=だ。「同じ名前で、すごく親近感が湧きます」。学年は久米がひとつ上だが、ほぼ同年代の活躍は、励みになっている。「私が強くなって、いつか会える日があればいいですね」。いつの日か実現するかもしれない“詩会”を楽しみにしている。

 ◆久米 詩(くめ・うた) 1999年9月3日、21歳。京都府生まれ。高校卒業後に、日本競輪選手養成所に入所。現在は、静岡県内に在住している。静岡所属の116期。2019年7月に奈良でプロデビューし、初日2着で2日目に初勝利を飾った。初優勝は同年10月(大宮)で通算優勝回数は12。家族は両親と兄。160センチ、60キロ。

ギャンブル

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請