新型コロナの影響で経営に苦しむ企業が多い中、日本最大級のケーキ専門通販サイト「Cake.jp」は急成長を続けている。4000種以上の洋菓子などをそろえ、会員数は昨年6月から40万人増の70万人を突破した。「おうち時間を充実させたい」と願う顧客のニーズに応えるべく、さまざまなアイデアを生み出している。
自宅で、全国各地の人気スイーツを食べられることが最大の魅力だ。今年の母の日の需要に関しては、昨年対比300%を記録。実店舗とは売れる商品の傾向が異なり、ショートケーキなどよりもカラフルで“映える”スイーツが人気だ。
特にメロンをまるごと1個使用したメロンケーキや、おむすび形のケーキが売り上げを伸ばし、代表取締役の高橋優貴氏(35)は「インスタ、TikTokが流行しているのが結構大きいです。困っている店舗が増え、有名店も通販に力を入れる流れがありますね」と分析した。
5月には、博報堂DYベンチャーズらを引き受け先とする7・7億円の増資を行った。リピーターを獲得する上で送料が課題になっていることを懸念し、自社工場を大阪や福岡にも持ちたいと構想を描いている。距離が短くなることで送料の負担も軽くなり「食品なので送料が高くなってしまう。送料はハードルの一つで、買うことをためらう人が多いので対策したい」と展望を明かした。(坂口 愛澄)