◆第103回全国高校野球選手権大会第11日 ▽3回戦 京都国際6ー4二松学舎大付=延長10回=(24日・甲子園)
二松学舎大付(東東京)は、今秋ドラフト候補の146キロ左腕・秋山正雲(せいうん、3年)が打たれ、3回戦敗退。4度目の出場も8強入りのカベを破れなかった。
左翼手の頭上を越える打球を、秋山はぼう然と見つめた。延長10回2死一塁。森下瑠大(りゅうだい)に適時三塁打を浴び、勝負は決した。直前の9回、1死から桜井虎太郎の劇的な同点3ランで一度は救われたが、「抑えなきゃいけないところで抑えられなかった」。172球の熱投は3被弾など6失点。同校の夏の最高成績となる8強入りはならなかった。
一番の武器を捉えられた。3被弾と決勝打は、いずれも甘く入った直球を痛打された。「真っすぐに頼ってしまったのかなと思います」。それでも、自ら選んだ真っ向勝負に、後悔はない。「(直球は)一番自信を持っているボールなので」。最後まで、強気なスタイルを貫き通した。
大車輪の活躍を見せた夏だった。東東京大会では32回1/3を投げ、わずか2失点。甲子園でも2試合連続完投とフル回転した。市原勝人監督(56)は「甲子園は、秋山に連れてきてもらった。感謝してます」。チームの大黒柱を責める者は、誰一人としていない。
今後は「上の舞台でやりたい」とプロ志望を表明。「真っすぐや変化球の精度、コントロールを磨いて、チームに愛され、頼りにされるピッチャーになりたいです」。OBで憧れの巨人・大江と同じステージを目指すべく、秋山の挑戦は続く。(北川 栞)