石田ひかり、舞台版「二代目がクリスチャン」ゲスト主演、シスター今日子の「その後」演じる

舞台版「二代目はクリスチャン」でゲスト主演を務める石田ひかり
舞台版「二代目はクリスチャン」でゲスト主演を務める石田ひかり

 劇作家・つかこうへい氏の小説で、85年に志穂美悦子主演で映画化された「二代目はクリスチャン」が、劇団扉座によって10月に「幻冬舎Presents 扉座版 二代目はクリスチャン ALL YOU NEED IS PASSION」(脚本・演出=横内謙介、企画=見城徹)として上演されることになり、女優の石田ひかりがゲスト主演を務めることが24日、発表された。

 「二代目―」は、美しいシスター・今日子が暴力団の抗争に巻き込まれていくバイオレンスコメディー。志穂美主演で井筒和幸監督がメガホンをとった映画版もヒットした。今回の扉座版は、原作の「その後」に焦点を当てたオリジナルで、刑期を終えて出所した今日子を待ち受ける運命が描かれる。石田は「飛龍伝’94―いつの日か白き翼にのって―」以来27年ぶりの“つか作品”ヒロインとなる。10月21~31日、東京・すみだパークシアター倉(そう)で。出演者、制作陣のコメントは以下の通り。

 ◆スペシャルゲスト・石田ひかり

 わたしの初舞台「飛龍伝’94」から27年が経ちました。共演者の皆さんがあまりに面白くて、若かったわたしは稽古場でも本番でも(!)、本気でゲラゲラ笑っておりました。そんなわたしを見て「そんなにこれが面白いか!お前の私生活はそんなにつまらんのか!家で笑ってから来い!」とおっしゃっていた笑顔や、つかさんと過ごした全ての時間は永遠にわたしの中に存在し続けます。

 あれから27年。つかさんの世界に呼び戻してくださった幻冬舎の見城さんに感謝します。そして、実直に演劇に向き合って来られた横内さんの演出を通して、つかさんのセリフの中に生きられることを、とてもとても楽しみにしております。

 「扉座版 二代目はクリスチャン」どうぞご期待ください!

 ◆扉座・横内謙介

 演劇はコロナウィルスと相性が悪い。燃える、泣ける、キマル、つかこうへいスタイルは特に絶望的だ。つか流の激しいセリフ回しは、客席に向かって唾を飛ばしてナンボのものだ。さすがに2021年の秋なら終息も見えているだろうと思い、昨年末に予定していた公演を延期してこの時期に移した。その見通しも甘かった。引き続き感染拡大と闘いつつの、油断できぬ公演となる。

 とは言えやる以上、しかも6回目となる幻冬舎プレゼンツシリーズとしては最もタイトル名の知られた「二代目はクリスチャン」を満を持して放つからは、せめて精神の濃密、魂の濃厚接触だけは今まで以上に過剰に究(きわ)めたものにしようと思う。

 今回は、石田ひかりさんをゲスト主演としてお迎えする。名作「初級革命講座飛龍伝」のヒロインを演じ、つかこうへい氏の世界を肌で知る最高の女優と、劇場が笑いに揺れ、興奮で燃え上がっていた、つかが切り拓(ひら)いた熱い季節の芝居を甦(よみがえ)らせたい。例によって単純な復活ではなく、私なりの新解釈、リライトを加えた扉座版を創作する。オリジナルストーリーの20年後の後日譚となる予定だ。

 この公演もこれまで5回と等しく幻冬舎社長・見城徹さんより多大なご支援を賜って実現する。ただ今年は状況が大きく違って、世界中がコロナ禍で苦しんでいる最中だ。出版界も例外ではない。しかるにご自身の苦難については微塵(みじん)も語られず、挫(くじ)けるな、立ち向かえ、と我々を叱咤激励して下さる、その熱き愛情に対して、石に齧(かじ)りついても傑作に仕上げ、恩返しを果たさねばならぬと決意を新たにしている。

 見城さんが座右の銘とされている「絶望しきって死ぬために」というアンドレ・ジッドの言葉がある。実はこの詩句には前段があり「私は心中で望んでいたものをことごとく表現したうえで満足して、或いは、絶望しきって死にたいものだ」が全貌だ。見城さんは潔く、絶望から始められるが、我々はまだずっと手前のあがきの中だ。あがき苦しみ、ことごとく表現する。今、この時代、この状況下にあって、それを我々の目指す境地としたい。

 ◆企画・見上徹(幻冬舎代表取締役社長)

 本当は去年の12月に新宿紀伊國屋ホールで上演される予定だったが、新型コロナウイルスの為に延期せざるを得なくなった。

 つかこうへいの全盛期は1975年から1980年までだと僕は思っているが、その舞台を再現するのは不可能だと諦めていた。2012年6月、すみだパークスタジオ倉で横内謙介作・演出の「つか版 忠臣蔵」を観た。涙と笑いで劇場が揺れていた。つか芝居の全盛期の感動と興奮がそこにはあった。その時僕は、つかこうへいへのオマージュとして横内謙介作・演出による幻冬舎Presentsを劇団扉座と毎年演(や)っていくことを決めたのだ。

 「つか版 忠臣蔵」「郵便屋さんちょっと」「無謀漫遊記」と、つか芝居の聖地、新宿紀伊國屋ホールで演って来て、今回は「二代目はクリスチャン」にすると横内謙介が決めた。僕に異論はない。志穂美悦子主演で映画にもなったこの長編小説は、僕が角川書店(現・KADOKAWA)の文芸誌「野性時代」の編集者として手掛けたものだ。それを最後に僕は「月刊カドカワ」に編集長として異動した。「二代目はクリスチャン」は芝居には一度もなったことがない。そのつかこうへいのタイトルを借りて横内謙介が縦横無尽に想像力を駆使した舞台になる。

 客席でひしめき合って観るのが、つか芝居観劇の流儀だから、思い切って今回は新宿紀伊國屋ホールを諦めた。新型コロナウイルス感染対策のため紀伊國屋ホールだと間隔を空けて座らなければならないからだ。今回のすみだパークシアター倉は「つか版 忠臣蔵」を初演したすみだパークスタジオ倉を改装して名前を変えたものである。その原点に戻って40年以上前の熱狂を再現する。勿論(もちろん)、感染対策には余念がない。

 主演は、つかこうへいによって抜擢され「飛龍伝 ’94―いつの日か白き翼にのって―」の舞台で絶賛を浴びた石田ひかりである。扉座の役者たちに伍(ご)して、どんな熱狂が出現するのか考えただけで待ち遠しくてたまらない。

 横内謙介とは彼が新宿紀伊國屋ホールに初進出した「夜曲 放火魔ツトムの優しい夜」をアシストして以来の付き合いである。横内謙介の才能に惚れ続けている僕は、例によって金は出すが口は出さない。演劇はこんなにも面白かった。そうだ、これこそが演劇だ! 横内謙介よ、それを見せつけてくれ。震えながら待ってるぜ。つかこうへいは今回も劇場のどこかで観ている。

芸能

宝塚歌劇特集
NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請