田中希実、五輪最後のレースから14日でいきなり日本新! 非五輪種目の1000M

スポーツ報知
女子1000メートルを日本最高記録で制した田中希実

◆陸上 賞金レースシリーズ ミドルディスタンスサーキット大阪大会(20日・ヤンマースタジアム長居)

 陸上の中距離に特化した賞金レースシリーズ「ミドルディスタンスサーキット」の大阪大会が20日、ヤンマースタジアム長居で行われ、東京五輪女子1500メートル8位の田中希実(21)=豊田自動織機TC=が非五輪種目の1000メートルに出場。02年に杉森美保が樹立した2分41秒08を3秒36上回る2分37秒72の日本最高記録で優勝した。東京五輪から2週間で自身3つ目の“日本記録”。24年パリ五輪に向けて、800&5000メートルも含めた計5種目での称号獲得にも意欲を示した。

 止まらない。田中は東京五輪で樹立した1500メートルの日本新ペースを安定して刻んだ。残り400メートルでギアチェンジ、さらに最後の200メートルで加速。「日本記録は最低限と思っていた」。ガッツポーズよりも、最後の最後まで力を尽くす姿はいつも通り。五輪最後のレースから14日。ほとんどの日本代表選手が表敬訪問などでまだ競技から離れているが、19年ぶりの日本最高記録で再出発を飾った。

 今年に入ってから30本目のレース。コロナ禍で大会の延期や中止が相次いでいる中、驚異的な本数をこなした。特に6月の日本選手権では800メートル決勝の約30分後に5000メートル決勝に臨み3位に食い込むなど、磨いたタフさは安定感にもつながった。今大会に向けては「あいさつ回りなどもあって、生活の合間に練習という感じ」と十分なトレーニングは積めなかったが、短時間集中の高い質を確保。キレの鋭さは増し、1000メートルという距離も長すぎず短すぎない適度な形だった。

 1500メートル、3000メートルと3種目で日本人の頂点に立った21歳だが、レース後には「800メートルと5000メートルでも日本記録を」と意欲を見せた。800メートルは2分0秒45(05年、杉森)、5000メートルは14分52秒84(21年、広中璃梨佳)が日本記録。田中の自己記録とはそれぞれ2秒74、7秒09差で更新は可能だ。「来年すぐに、というわけではないが、パリ五輪までには世界のスピードに対応するためにも必要だと思っている」と冷静に見据えた。

 種目というよりも、中距離というジャンルそのものを極めようとしている田中。来年にはユージン世界陸上が控えるが「その時にならないと(種目は)分からない部分がある」と自分の強みを最大限に生かせる距離を探りながら挑む。五輪で日本人初の入賞を果たした1500メートルではなく、自分らしさにこだわる。そんなブレない心を持つ限り、どこまでも走り続ける。(太田 涼)

 トラックレースでは国内最高額の賞金100万円をかけて初開催された今回のサーキット大会。男子800メートル前日本記録保持者の横田真人氏(33)が代表を務め、陸上中長距離選手の指導やマネジメントなどを手がける「TWOLAPS」が主催している。大阪、福島大会の他、バーチャルレースも予定。この日田中が走った1000メートルは対象外だが、各地区大会を予選ラウンドとし、対象種目の上位がファイナルステージ(10月30日、東京・駒沢公園陸上競技場)に進み、最後は1000メートルで男女のシリーズチャンピオン(エリートの部)を決めて、100万円が贈られる。800メートルと1500メートルの中間とも言える距離での“異種格闘技戦”は必見。横田氏は「中距離はもともと、日本人が戦えないと言われていたが、田中さんたちが切り開いてくれた。大会を通じて、もっと盛り上げていけたら」と話した。

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