巨人は20日、日本ハム・中田翔内野手(32)を無償トレードで獲得した。背番号は「10」。4日にチームメートへの暴行問題を起こし、日本ハムから出場停止処分を受けていた主砲を救済した形。中田は東京・大手町の巨人球団事務所で行った会見で騒動を謝罪し、一から出直すことを誓い、東京ドームで1軍練習に合流。21日のDeNA戦(東京D)から早速、出場選手登録される可能性が高まった。
金髪を黒く染め、ひげをそった中田が、暴行問題を起こして無期限出場停止処分を受けてから初めて公の場に登場した。都内の巨人球団事務所で会見に臨み、報道陣の前で深々と頭を下げ謝罪の言葉を繰り返した。
「みなさんに迷惑をかけてしまったこと、本当に反省しています。本人にももちろんそうですし、ファンの皆さんに対しても裏切ってしまったということに対して、すごく後悔だったり、本当に反省しています。すみませんでした」
4日のエキシビションマッチDeNA戦(函館)の試合前、ベンチ裏でチームメート1人に突発的に腹を立てて手を出した。球団から即座に自宅謹慎を命じられ1、2軍全試合の出場停止処分が科された。
「愚かな行為と思いますし、申し訳ない気持ちと後悔の気持ちがすごく強い。こういう形で野球から離れるのは初めての機会だった。野球ができない苦しさを初めて経験しました」
巨人の大塚副代表によると、中田は日本ハム・吉村GMの前で涙を流して謝罪し、「野球をやめる覚悟はある」とまで明かしたという。大塚副代表は「過ちを犯さない人なんていない。痛みを共有した方がいい。その中でジャイアンツがもう一度、チャンスを与えたい。頑張れよ、と」。人としてプレーヤーとして、復活へ背中を押した。
07年入団から14年を過ごした日本ハムを離れる中田は「決して忘れることはないですし、みんなには感謝しかない。こういう形でコメントを出すのは本当に申し訳ない」と頭を下げた。背番号はかつて阿部2軍監督がつけ、今季は途中退団したスモークが背負った「10」。会見後は東京Dの1軍練習に参加した。
「やっぱりどう考えても野球は好きですし、こういうチャンスをいただけたので一から見つめ直してしっかりやっていきたい」
会見では5度、「一から」と繰り返した。猛省と感謝を、新天地で示す。(小林 圭太)