9月に開幕するサッカーW杯アジア最終予選で、日本のアウェー初戦として予定される中国戦(7日)が、カタール・ドーハで行われる可能性が17日、浮上した。新型コロナウイルスの感染対策で中国政府は厳格な入国制限を設けており、当面ホームゲームを開催できない見通しとなり、第三国、カタールでの開催案が出てきた。93年のW杯最終予選「ドーハの悲劇」を経験した森保一監督(52)にとっては因縁の地となる。
日本協会関係者によると、中国協会は最後まで国内開催を模索したが、期限の7月16日までにアジアサッカー連盟に申告することはできなかったといい、第三国開催に切り替えたという。現状、カタールはワクチン接種完了者が新型コロナの陰性証明を持っていれば、待機措置期間なしで入国できる。また、22年W杯の開催国であるカタールは、最終予選に参加しておらず、中立性を保てる。
森保監督にとっては切っても切れない場所だ。米国W杯のアジア第3代表を争った93年10月のイラク戦がドーハで行われ、日本は後半ロスタイムに追いつかれ、W杯初出場を逃した。当時はどう受け止めていいか迷ったか、今振り返ると「これ以上サッカーで悲しい思いをすることはない」とプラス思考を手に入れ、常にベストを尽くすことを胸に刻んだ国になった。
この日、オンラインで取材に応じた森保監督はコロナ禍で行われる最終予選に向け、「何が起こっても冷静に落ち着いて対応していきたい。その時のベストなメンバーで、ベストな戦いをすることにも変わりない」と意気込んだ。