◆JERAセ・リーグ公式戦 巨人4―2中日(13日・東京D)
プロ野球は東京五輪による約1か月の公式戦中断期間を終え、各地で5試合が行われた。巨人は8回に代打・若林が同点の4号ソロを放つと、岡本が決勝タイムリー。五輪金メダリストの坂本はプロ野球9位タイとなる通算169度目の猛打賞で先導するなど、原監督の言葉通り全員で力を合わせた「ワッショイ、ワッショイ」な勝利となった。
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ビエイラの剛速球が異次元の数字をたたき出した。9回1死、フルカウントからA・マルティネスへの7球目。166キロの表示に場内が騒然とした。日本ハム・大谷翔平、広島・コルニエルの165キロを超え、NPB史上最速記録を更新した。
「粘られていたし、勝負のカウントだったので力を入れたのは事実。まさかそこまで速いとは思わなかったし、最高にうれしいよ」
この球はファウル。続くスライダーで見逃し三振に打ち取った。1回打者3人の完璧救援で2点リードを守って10セーブ目。5月3日の広島戦(マツダ)から24試合連続無失点となった。
函館遠征中だった7日、東京五輪で同僚の坂本がいる侍ジャパンが金メダル。サッカー男子は母国ブラジルが金メダルに輝いた。ともに決勝戦は夜で時間が重なり、宿舎では同じブラジル出身の金伏ウーゴ通訳とテレビ、インターネットを駆使して二元中継で同時に応援。「日本が大好きなんだ」という親日家で、子どもの頃はサッカー少年でもありディフェンダーだったビエイラ。両国の快挙に歓喜してパワーをもらった。
自己最速はメジャー時代の167キロ。「もっともっと速くなると信じているし、人間に限界はないと思っている」と話し、“人類最速”とされるヤンキース・チャプマンの171キロを本気で目指す。来日2年目。「日本の野球を学びたい」という貪欲さで、球速だけでなく制球力も向上した。
歌って踊ることが大好きだという明るい助っ人。原監督が掲げる「ワッショイベースボール」を日本最速の無双守護神が盛り上げる。(片岡 優帆)