【明日の金ロー】コロナ禍だからこそ感じる「もののけ姫」のキャッチコピー「生きろ。」の意味

スポーツ報知
「生きる」とは何かを考えさせられる「もののけ姫」のアシタカ(左)とサン(C)1997 Studio Ghibli・ND

 13日の金曜ロードショー(後9時)は、3週連続でジブリ作品を放送する第1弾の「もののけ姫」(1997年)。放送枠が50分拡大され、ノーカットで放送される。公開当時は、「E.T.」(82年)が持っていた国内配給収入記録を15年ぶりに更新。昨年、再上映されたことで、四半世紀近い時を経て最終興収200億円を突破したことも話題となった。

 同番組で放送されるのは、18年10月以来、11回目。公開時からほぼ2年に1回に近いペースで放送されている計算となるが、ジブリ作品では上には上がある。日本テレビによると、金曜ロードショー以外も含めて、同局で最も放送されたジブリ作品は「風の谷のナウシカ」の19回。「天空の城ラピュタ」と「となりのトトロ」が17回で続く。この3作と比べて公開時期が10年ほど後ということもあり、回数だけでいえば、「もののけ姫」は”銅メダル”にも届かないのだ。

 死の呪いを受けたアシタカが呪いを解くすべを求めて出掛けた旅の途中で、森の中で山犬に育てられた「もののけ姫」のサンと出会い、周囲の様々な人間の思惑に翻弄されながら生き抜いていく物語。自然と人間の共生や差別の問題、人間の本能とは何か…など、様々な要素が詰め込まれているが、改めて見ると今の時代だからこそわき上がってきた感情があった。

 コロナ禍により、1年以上も先の見えない生活が続く中、「今後、自分の人生はどうなっていくんだろう?」との不安を抱えている人は多いだろう。でも、その中でジッと世の中の動きを見ているだけでは打開策は生まれない。

 アシタカは呪いをかけられた時、村の巫女(みこ)であるヒイ様から「定めは変えられない。ただ、待つか自ら赴くかは決められる」との言葉をかけられ、運命にあらがい、打破しようとしていくことを決意する。その一歩こそが、今の私たちには必要なのではないかと痛感した。

 何より、同作のキャッチコピーある「生きろ。」の三文字からは、困難な現代だからこそ、”原点”に戻って「生きるとは何か」を考え直すきっかけになるのではないか。物語の途中、タタラ場の民・トキが、夫に対して言う「生きてりゃ何とかなる!」というセリフ。他でもよく聞きそうなものではあるが、登場人物たちが「生」に対して真摯(しんし)に向き合っている中で、軽い感じでサラリと言ってのけるのは、一服の清涼剤のように感じると同時に、スッと心の中に入って来た。(高柳 哲人)

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