◆第103回全国高校野球選手権大会第1日 ▽1回戦 新田4―2静岡(10日・甲子園)
ようやくたどり着いた聖地のマウンド。「今まで感じたことのないくらい投げやすかったです」と静岡のエース・高須大雅(3年)は胸を躍らせたが、そんな気持ちが体に不要の力を加えてしまったのか。「多少の緊張が力みにつながりました。抜け球が多かった」
静岡大会5試合37回を無失点に抑えていたが、2回に3安打を許してこの夏初めて点を失う。「1点取られた方がラクに投げられると思った」が、3回以降も思い通りの投球ができない。最速146キロの速球は145キロ止まり。「勝負球をファウルされて球数を増やされた」(静岡・池田新之介監督)と、6回途中で99球。新田打線のしたたかな攻めに崩されて降板。右翼へ回った。2点を追う9回、池田監督が「エースの高須が締めて逆転のイメージを作りたかった」と再びマウンドへ送りむと、その期待に応えるように無失点で切り抜けて味方の反撃を待ったが、届かなかった。
「自分の投球ができなかったのでチームのみんなに申し訳ない」と仲間に頭を下げた。今後については「夏の大会に集中ということで進路についてはまだ考えてないです」と話すにとどまったが、プロも注目する192センチの大型右腕はまだ成長の途中。この日の悔しさを糧にして、もっともっと大きくなる。