東京五輪総括 無観客による損失「穴埋め」で住民税アップも…経済評論家・横川楓氏

スポーツ報知

 新型コロナウイルス流行に伴い、史上初めての1年延期を経て開催された東京五輪。日本勢のメダルラッシュなど選手の活躍は多くの人々の記憶に刻まれた。平成生まれの経済評論家・横川楓氏(30)が、賛否両論あった中での開催を総括した。

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 競技会場の建設など開幕前に一定の経済効果は見られたものの、無観客による損失は約1500億円と言われています。収支報告が出るまでは時間がかかるとは思いますが、赤字を税金によって「穴埋め」する必要性は十分考えられますし、住民税などが上がる可能性も否定できません。

 もちろん、五輪だけが“悪者”ではなく、緊急事態宣言と切り離すことはできないでしょう。4回目の宣言による経済損失は2兆円以上とも試算されています。もし宣言がなければ、無観客開催であっても「五輪開催中の東京の空気を感じたい、競技場の近くに行ってみたい」と、東京に来る人が数多くいたはず。その人たちの消費がなくなったのは大きいと思います。

 日本は近年、インバウンドを経済発展の要とし、五輪をその起爆剤として考えていました。それだけに、無観客開催はその効果がゼロになったどころか、投資をしたぶん、マイナスとなってしまいました。ただ、大会では選手がSNSで東京の魅力を発信してくれましたし、大会そのものは盛り上がったといえます。その「レガシー」をコロナ禍の収束以降、海外にどうアピールしていくか考える必要があります。

 ただ、身近なところではプラス面もありました。まず、大型テレビなど電化製品の購入が増えたこと。五輪に関係なくテレビを買い替えようとしていた知人が「売り切ればかりで全く買えない」と嘆いていました。五輪のチケットはかなり高額だったので、その分の予算を回したという人が多かったようですね。

 また、日本勢が活躍した競技の商品の伸びも見られています。特にスケートボード関連が大きいですね。今年始まったスケボーがテーマのアニメ「SK∞エスケーエイト」で潜在的な認知度が上がっているところに、五輪がさらに後押しして消費に好影響を与えたとみています。

 ◆横川 楓(よこかわ・かえで)1990年8月13日生まれ。30歳。明治大法学部、同大大学院を経て経営学修士(MBA)、ファイナンシャルプランナー(AFP)取得。

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