卓球・水谷隼が現役引退表明「自分の冒険はここまでかな」…「実業家」「eスポーツ」やりたい事満載

スポーツ報知
混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼(左)と伊藤美誠

 卓球男子の水谷隼(32)=木下グループ=が7日、目の不調を理由に現役を退く意向を表明した。都内で東京五輪の全日程を終えた卓球日本代表6人で会見に臨み、「今の気持ちとしては完全に卓球からは離れると思います」と心境を語った。水谷は今大会の混合ダブルスで日本卓球界初の金メダルに輝き、団体で銅メダル。2016年リオ五輪のシングルス銅、団体銀と合わせて五輪で4つのメダルを獲得した。

 水谷が現役生活に区切りをつける。団体銅メダル獲得から一夜明けた会見。今後について「最終的な判断はできてないけど、今の自分の気持ちとしては完全に卓球からは離れると思います」と心境を語った。

 決断の背景には、目の不調がある。18年から照明の影響でボールが見えづらい症状に悩まされてきた。数十種類のゴーグルやコンタクトレンズを試し、五輪前は2週間に一度通院したが根本的な解決には至らなかった。「もし目が完治するなら40歳でも50歳でもやりたいけど、治療法はないということで。悔しいけど、自分の冒険はここまでかな」と無念さもにじませた。

 水谷は日本男子の不遇の時代を引っ張り、押し上げた立役者だ。中学2年で留学したドイツで、ブンデスリーガの盛り上がりに触れ「卓球をメジャーに」という思いが芽生えた。08年から世界選手権で団体5大会連続、ダブルスで2度表彰台に立ったが、人気は福原愛、石川佳純らの女子が圧倒的。それでも16年リオ五輪でシングルス初の銅メダルを獲得し、団体でも全勝して銀メダルへ導くと、積極的にメディアに出演。卓球界のために発信を続けた。

 今大会は代表引退を公言して臨み、混合ダブルスで伊藤美誠(20)=スターツ=と中国ペアを破って卓球初の金メダルをつかんだ。「東京で五輪の開催が決まってから、集大成だと思って一生懸命やってきた。そこで最高の結果を残せて良かった」と万感の思い。「今回の張本(智和)のプレーを見ていて、頼れる後輩がいるということはすごくうれしい。この先も明るい」。日本男子の第一人者は、18歳のエースに未来を託した。

 ◆「実業家」「eスポーツ」やりたい事満載

 水谷は今後、どのような道を歩んでいくのか。これまでメディアなどを通じて「実業家」「eスポーツの選手」などさまざまなプランを披露しているが、少し前に聞いた時は「全てが事実なんですよ。どれも偽りがなくて。やりたいことがいっぱいありすぎて一つに絞れない」と語っていた。

 第一線は退いても、ラケットを握る可能性もありそうだ。「愛好者として楽しく試合に出たい気持ちはある」というだけに、例えばカット主戦型など戦型を変え、心機一転で東京選手権などに挑戦することも「やりたいことの一つ」だ。

 史上最多の10度優勝している全日本選手権についても「楽しくできるのであれば、また出たい気持ちはある。10年後とか、張本が引退した後に出るのも面白いですよね」と語っていたことがあった。指導者については否定的だったが、休息の後、水谷らしい選択をしていくことになりそうだ。(卓球担当・林 直史)

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