リレー侍、まさか バトン渡らず途中棄権 桐生と小池は走ることもなく…

スポーツ報知
1走・多田修平(右)と2走・山県亮太がバトン受け渡し失敗

◆東京五輪 陸上 男子400Mリレー決勝(6日、国立競技場)

 男子400メートルリレー 男子400メートルリレー決勝が行われ、多田修平(25)=住友電工=、山県亮太(29)=セイコー=、桐生祥秀(25)=日本生命=、小池祐貴(26)=住友電工=の順で臨んだ日本は、多田と山県の間でバトンが渡らず、途中棄権に終わった。16年リオデジャネイロ大会の銀メダルに続く、2大会連続の表彰台を逃した。イタリアが37秒50で優勝。銀メダルは37秒51で英国、銅メダルは37秒70でカナダが続いた。

 栄光へ駆けた道は、10秒で途切れた。1走の多田が好スタート。“リレー侍”の運命は、直後に暗転した。2走の山県とのタイミングが合わず、バトンが渡らない。桐生と小池は、走ることもなく終わった。山県は「金メダルを目指して、いろいろな思いをもって東京五輪を目指してきた。リスクをとる戦いではあったけど、いざ起こると受け入れるには時間がかかる」。東京五輪で、順位はない。DNF(途中棄権)の成績表示を、4人は静かに目に焼き付けた。

 予選は、決勝8チーム中最下位の38秒16で通過。逆襲へ「いつも通りのレースでは金は取れない」と土江寛裕コーチ。5日夜と6日昼のミーティングで37秒5を目標に据えた。予選から0秒6を削り出す勝負手が「攻めのバトン」。互いが最もスピードに乗った状態で渡せるようにリスクを取った結果、多田が急加速する山県に追いつけず、バトンを渡せなかった。桐生は「攻めた結果だと思う」。土江コーチは「素晴らしい4人が素晴らしい状態で金メダルを狙うスタートラインに立てたと、自信を持って言える」と目を赤くした。

 バトン技術は、世界大会3大会連続メダルを手にした力の根源だ。バトンを渡す角度などを細かく調整。受け渡し区間を含む40メートルは3秒6台での通過を目標にした。銀のリオ五輪時は3秒75が目安だった。「19年(ドーハ世陸)でバトンは限界にきた。めいっぱい伸ばしきった」と土江コーチ。そこへ加えたのが個の力だ。9秒台3人を擁した今大会、4人の自己記録合計は39秒92。9秒台ゼロのリオでは40秒38だった。タイムでは「速さ」を示せた。リレーで「強さ」を示す戦いは、無念の結末になった。多田は「また作り直して改善したい」と前を向いた。

 米国は予選落ちし、ジャマイカは5位で終戦。かつての絶対王者が、絶対ではない。世界の争いは激しさを増す。小池は「失敗したから守りに入るのではなく、攻めていって、いつか金メダルを取れるように」。22年ユージン世陸、そして24年パリ五輪へ。東京で途切れたバトンに、再び歓喜を宿す。(細野 友司)

 ◆バトンパスのルール 30メートルの「テイクオーバーゾーン」の中で行う。次走者は内側の端に立ってバトンを待つ。前走者がどこまで来たらスタートするのかの目安としてマーク(粘着テープ)を1か所置ける。17年度までは20メートルだった。

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