張本智和、パリへ 重圧乗り越え「楽しい」…担当記者が見た

スポーツ報知
男子団体3位決定戦で韓国に勝利した(左から)張本、倉嶋監督、丹羽、水谷

◆東京五輪 卓球 男子団体3位決定戦 日本―韓国(6日・東京体育館)

 男子団体3位決定戦で日本が韓国を3―1で下し、銅メダルを獲得した。16年リオ五輪の銀に続き2大会連続で表彰台に立った。第1試合のダブルスで水谷隼(32)=木下グループ=、丹羽孝希(26)=スヴェンソン=組が李尚洙、鄭栄植組に3―1で先勝し、張本智和(18)=木下グループ=が張禹珍に3―1。丹羽は鄭に0―3で敗れたが、水谷が張をストレートで破った。日本男子の歴史をつないだ新旧エースの水谷、張本の5年間を卓球担当の林直史記者が「見た」。

 リオ後、張本は怒とうの勢いで階段を駆け上がった。初めて日の丸を背負ったのは13歳だった。「重圧もなく、いっぱい声を出してノビノビと駆け回っていた」という17年世界選手権。憧れの水谷を破り、史上最年少で8強に入った。14歳で全日本選手権優勝。ジャパンOP荻村杯で馬龍、張継科と2人の五輪王者を倒し、グランドファイナルを制して史上最年少で世界一になった。周囲は東京五輪で金メダルを狙えると期待し、張本もその意欲を隠さなかった。

 だが、そこから勝ちきれない試合が続く。19年。真夏のマレーシアで聞いた。「卓球をやっていて楽しい瞬間は?」。張本は「勝った時はうれしいけど、それ以外はないですね」と答え、ジャパンOP優勝から心境が変わったと打ち明けた。「昔は格上と試合ができるだけでうれしかった。でも馬龍選手に勝って、自分の立場が少しずつ上がって、他の選手は昔の自分のように向かってくる。負けてそんなことを言ってられないし、勝って喜びを感じるしかないのかな」。16歳になったばかりで、日本のエースとして重圧を背負い込む姿に胸が締めつけられた。

 五輪前。2年前の言葉の続きを聞いた。「今は中国選手に勝つ以外は、勝ってもあまりうれしさを感じない」。さらに追い込まれたような胸中を明かし「負ければ悔しい。喜びを味わうためというより、悔しい思いをしないために戦っているという気持ちの方が大きいです」とまで言った。

 初めての五輪でシングルスは4回戦で敗退したが、団体戦は全勝で銅メダルを勝ち取った。若きエースとして胸を張れる結果に「今はとても楽しい。僕にとって初めてのメダル。やっと世界のスタートラインに立てた」と笑顔を咲かせた。「現状維持では次の五輪に出られる保証はない」。3年後を見据えたその表情から、少しだけ重圧や迷いが消えていたように見えた。

 〇…張本が小学6年生の時に夢を描いた絵がある。作品名は「オリンピック優勝!」。表彰台の中央で両手を広げ、誇らしげに金メダルを首からかけている自身の姿が描かれている。今大会では銅メダルだったが、3年後のパリ五輪で夢の実現を目指していく。

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