日本、メキシコに敗れ53年ぶりメダル逃す 久保建英は号泣「今までサッカーだけやってきて、こんだけ悔しいことってない」

スポーツ報知
前半22分、ホアン・バスケス(5)にヘディングで飛び込まれ2点目を決められた日本代表(カメラ・竜田 卓)

◆東京五輪 男子サッカー3位決定戦 日本1―3メキシコ(6日・埼玉スタジアム)

 1968年メキシコ市五輪以来、53年ぶりのメダル獲得はならなかった。試合終了の笛が吹かれると日本の選手たちは倒れ込み、久保建英はピッチ上で号泣した。

 試合後のインタビューで久保は「今日、勝つと決めてきて、グループリーグで勝ってきた相手だったので、結果論ですけれど、気の緩みがあったのかもしれないですし、ちょっとこのゲームの重みが自分たちは理解できなかったのかなと思います」と振り返った。そして、このチームで過ごしたことについて問われると「今までサッカーだけやってきて、こんだけ悔しいことってないし…」と話すとあふれ出る涙を堪えることができなかった。そして「この気持ちを忘れないようにできればと思います」と誓った。

 3位決定戦でメキシコと対戦した。前半13分、MF遠藤航が相手を後方から倒し、PKを献上。そのPKをコルドバにゴール左に決められた。同22分には左サイド寄りのFKからコルドバのクロスをバスケスに頭で合わされ、2失点目。序盤から劣勢となった。

 堂安律、田中碧を始め、日本は全体的に動きが重く、4強入りを支えたパスワークが陰を潜めた。ミスと相手の狡猾(こうかつ)な守備で、攻撃はぶつ切り。後半開始から相馬勇紀に代え、旗手怜央を投入したが、ゴールネットを揺らしたのはメキシコ。後半13分に左CKから、ベガにヘディングで決められた。逆転を目指す日本は後半18分、三笘薫、上田綺世と前線の選手を次々に送り出すと、ようやく実を結んだ。

 後半33分、バイタルエリアでボールを受けた三笘が、エリア内左へドリブル進入。相手のマークを振りほどき、最後は左足でメキシコGKオチョアの右肩上を通した。今大会、精彩を欠いていた三笘の今大会初得点で反撃ムードを作ったが、体力が奪われた終盤に3点が重くのしかかった。1点を返す前、堂安律のヘディングシュート、上田綺世のGKとの1対1と決定機を決めきれなかったことも響き、2012年ロンドン五輪大会に続き、4位に終わった。

 メキシコシティ五輪で得点王の釜本邦茂氏(77)は当時を振り返る。4年前の64年東京五輪でコーチを務めたドイツ人のデットマール・クラマー氏からのゲキも響いた。現地にいた同氏からメキシコ戦前日、食事の際に「金は取れなかったが銅メダルも良い色だ。それを持って帰るか、手ぶらで帰るか。どっちがいい?」と語りかけられ、士気は高まった。約10万人が詰めかけたアウェーの大一番は、前半に釜本氏が決めた2得点を守り抜き銅メダルを獲得。アジア勢初のメダルとなった。

 今大会、メキシコとは1次リーグでは2―1で競り勝ったが、釜本氏は「メダルがかかった試合で簡単に勝てる相手ではない」と指摘していた。そして「良いサッカーをしたけど惜しかった、では1年もすれば誰も覚えてない。勝たなアカン。点取らないとアカン」と強調していた。「亡霊じゃないけど、いつまでもいつまでもメキシコ五輪が…って言ってるのはね。もう次のページに移らないと」。日本サッカーを築いてきた先人たちも、新たな歴史に期待をかけたが、夢はパリに持ち越しとなった。

 ◆3位決定戦 日本2(2―0、0―0)0メキシコ(メキシコ・アステカスタジアム)

 ◆68年メキシコシティ五輪3位決定戦 約10万人の観客が開催国を応援する状況で始まった一戦は前半18分、FW杉山隆一のクロスを胸トラップした釜本が左足でネットを揺らし先制。同39分には、速攻から最後はエースが右足ミドルを突き刺し追加点を奪った。後半、メキシコの猛攻を耐え続けると大観衆は一転、日本コール。ボールがスタンドに飛び込むと、サポーターはボールをピッチに戻さず日本のために時間稼ぎする場面もあった。試合は2―0で勝利し初のメダルを獲得。釜本は通算7ゴールで得点王に輝いた。

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