石井慧のK‐1参戦で、“格闘技オリンピック”が始まるか

2010年「Dynamite!」でジェロム・レ・バンナに勝利した石井慧
2010年「Dynamite!」でジェロム・レ・バンナに勝利した石井慧

 2008年北京五輪柔道男子100キロ超級金メダリストで総合格闘家の石井慧(34)が9月20日に横浜アリーナで開催される「K‐1 WORLD GP 2021 JAPAN~よこはまつり~」に参戦することが決まった。

 忘れられかけていた金メダリストが、東京五輪で柔道が盛り上がったタイミングで表舞台に呼び戻された。東京五輪開会時にこのコラムでアントニオ猪木VSウィリー・ウィリアムスの記録映画「格闘技オリンピック」を紹介したが、石井慧こそ“格闘技オリンピック”を地でいくファイターかもしれない。

 金メダルに輝いてから間もなく総合格闘技挑戦をぶち上げ、09年大みそかの「Dynamite!」(さいたまスーパーアリーナ)で吉田秀彦(1992年バルセロナ五輪柔道78キロ級金メダリスト)と対戦。パンチでダウンを奪われるなど0-3の判定負けという、さっぱりなデビューだった。翌10年大みそかの「Dynamite!」(同)では、元K‐1ヘビー級王者のジェロム・レ・バンナ(フランス)に3‐0の判定勝利を飾り、何とか結果を出した。

 アントニオ猪木氏が率いるIGFにも参戦し、猪木プロデュースの“格闘技オリンピック”に乗っかれば面白いと思われたが、14年大みそかの「INOKI BOM-BA-YE」(両国国技館)で、元K‐1ヘビー級王者のミルコ・クロコップ(クロアチア)に2回TKO負け。その後は「RIZIN」にも出場したが、ヒーローになることはなかった。

 現在はクロアチアでミルコが率いる「チーム・クロコップ」に所属し、修行を積んでいる。東京五輪で柔道人気が再燃することを見込んだかのょうな帰国要請にビデオメッセージを寄せた。

 「初めてK‐1ルールで、K‐1の舞台。百聞は一見に如かず。以前から体験してみたく。体験だけはでなく、次の試合は絶対に勝ちたい思います。試合までの間、一日も無駄にすることはせず、毎日死に物狂いで練習して、次の試合、絶対に勝ちます」

 対戦相手は、K‐1クルーザー級(90キロ以下)の愛鷹亮(31)。元SKE48メンバーの佐藤すみれの夫でもある。柔道出身の愛鷹は、「石井選手は柔道の世界では雲の上のような存在の方でした。そういった方と1対1で戦える場を提供してくれたK‐1に感謝。柔道少年だった自分が金メダリストと試合ができるという、K‐1はこういう夢みたいなことができる舞台」とコメントした。

 100キロ以上のスーパー・ヘビー級に相当する石井にとって、愛鷹は“かませ犬”なのか。いや、愛鷹はかなりのハードパンチャーだ。これまでの試合では、頭部への打撃に弱いイメージがある石井がK-1で結果を出すことができるのか。13年前のオリンピック金メダリストという金看板をリングに利用できる最後のチャンス。“格闘技オリンピック”に期待したい。(酒井 隆之)

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