四十住さくらの母、夢支えるため赤ちゃん誕生の隣人に手紙「どうか滑らしてもらえないでしょうか」

スポーツ報知
競技の合間、カメラに向かってVサインする四十住さくら(カメラ・矢口 亨)

◆東京五輪 スケートボード パーク女子決勝(4日、有明アーバンスポーツパーク)

 今大会から採用された新種目で日本の四十住(よそずみ)さくら(19)=ベンヌ=が60.09点で初代金メダリストとなった。夏季五輪で日本人最年少12歳11か月で出場している開心那(ひらき・ここな)=WHYDAH GROUP=が銀メダルを獲得し、史上最年少メダリストとなった。夏季五輪で日本勢のワンツーは1976年モントリオール五輪体操(鉄棒)の金・塚原光男、銀・監物永三以来。今大会、スケートボードは男女ストリートと合わせて3冠と快進撃が続く。日本にとって今大会20個目の金メダルとなった。

 * * *

 四十住に常に寄り添ってサポートしてきたのが、母の清美さんだ。今でこそ近所に専用練習場ができたが、昨年までは神戸や三重まで練習の送迎、合間には家事…と何役もこなしてきた。娘がスケボーに没頭してからは「ゆっくりできたことは全くないですよ。さくらと同じ条件だったので」と、振り返る。

 「スケボーは分からないので、私が教えるのは知識と道徳」と謙遜しつつ、娘の熱意を現実に変えるために奔走してきた。

 自宅の庭にコンクリートを敷き詰めて練習場を作ったときのことだ。隣人に赤ちゃんが生まれ「新生児の間は練習しないでもらえないか」と頼まれた。練習の音がどうしても響くからだ。清美さんは手紙を丁重にしたため、理解を得た。「うちの子は、日本一を目指すと言っています。決めた時間や赤ちゃんが起きている時間にだけ滑らせてもらうので、どうか滑らしてもらえないでしょうか」

 娘のために仕事もやめ、海外遠征にも帯同。「骨折ってでもやる、日本一になる」と誓った我が子に、全精力を注いできた。

 「子供の夢に使うお金っていいかなって思ったんです。この生活はしんどいですよ。でも娘が約束を果たしているのに、私がちょっとお金もたんとか、体力がもたんとか言えない。約束を守るために頑張ってきました」

 「後悔のないように笑顔で」と送り出した娘が持ち帰ったのは、全てが報われる金メダル。「今まで本当によく頑張ったね」と、優しく声をかけた。(太田 倫)

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請