リレー侍逆襲のカギは多田修平にあり…高校時代から際立っていたジャンプ力

スポーツ報知
400メートルリレーでの逆襲を狙う多田

 2016年リオ五輪で銀メダルに輝き、悲願の金メダルを目指す男子400メートルリレー予選が、5日に行われる。4日までに組分けが発表され、日本は19年ドーハ世陸銀の英国などと同じ1組に入った。100、200メートルで6人全員が予選敗退した個人種目からの逆襲へ、21年日本選手権王者の多田修平(25)=住友電工=、100メートル日本記録保持者の山県亮太(29)=セイコー=が序盤で主導権を握れるか。多田を大阪桐蔭高時代に指導した花牟礼(はなむれ)武さん(50)が、五輪に挑む教え子の成長の軌跡を明かした。

 覚醒前夜―。多田の高校3年間は、飛躍の土台作りにしっかりと費やされた。

 「なぜ将来伸びるかといえば、バランスのとれた体づくりをしようというテーマがある。高校時代に、股関節やハムストリング(太もも)、臀筋(でんきん=お尻の筋肉)を鍛える。股関節を使えるように、柔軟性を高めるようにしました。やっぱり、なめらかでしょう。多田の走りは」

 軽快に脚を回す走りを支えるのが、高校時代から際立っていたジャンプ力だ。

 「(高さ数十センチの)ミニハードルがあって、普通の子は脚が後ろに流れる。多田は膝が前に上がるように出てきて、脚が鋭く回転するように走りの動きをつくっていく。臀部の筋肉がないとできないことだし、そういう意味で彼は特別。別格の動きをしていたかな」

 花牟礼氏の練習メニューや考え方は、「頂点を目指して」という冊子にまとめられている。合計2万2000字超。練習技術や栄養の知識、「競技レベルに関係なく、自分自身の目標を持ち、目標に対して純粋に妥協せずに取り組むことである」などと、心構えも説いた。

 「昔は朝練もやって、夕方は4~5時間も根性練習。練習量を求めていたけど、質に変えたんです。体も回復させないといけない。筋肉の回復期間は48~72時間ということで、練習メニューも3日サイクルで作るようにしていました。睡眠時間の確保も大事」

 1学年上の桐生祥秀(25)は洛南高3年で当時日本歴代2位の10秒01。天才スプリンターとして表舞台を歩んだ。多田は、高校3年時の14年高校総体で100メートル6位。10秒78を要した。

 「多田は本当に下からはい上がっていった選手。なんで(日本一に)なれたかというと、高3から大学1年に上がる前の冬季練習を在校生とやったから。(高校の活動を)引退して練習に来るかは自由だったけど、男の成長期は2つあって、中学から高校に上がる時と、人によって違うけど高3から大学に上がる頃。(体が)少年から大人に変わる時に鍛えた選手はすごく伸びる。そこをちゃんとやったのが一番のターニングポイント」

 昨年は日本選手権(新潟)5位と不調だった。延期も味方につけ、五輪の舞台に立ったことは今後のキャリアへも追い風になる。

 「運があるな、と。間違いなく去年だったら、五輪には行けていなかった。次の(24年パリ)五輪も28歳。あと、もう一つは9秒台でしょうね。10秒01までは出したし、追い風参考だけど9秒台(9秒94=17年)で走っているし。100メートルをやっている限り、9秒台は夢やんか」

 まずは、自身初の五輪メダルへ―。目標を形にする戦いが始まる。(取材・構成=菅原美沙、細野友司)

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