サニブラウン惨敗「もはや、ジョギング」…100と200で異なる組み立て、2年ぶりぶっつけが仇に

スポーツ報知
男子200メートル予選は2組6着で準決勝進出を逃したサニブラウン

◆東京五輪 陸上 男子200M予選(3日、国立競技場)

 男子200メートル予選で、17年ロンドン世陸7位のサニブラウン・ハキーム(22)=タンブルウィードTC=が21秒41(追い風0・9メートル)の2組6着で敗退。自己ベストから1秒33も遅れ「もはや、ジョギングしているくらいの走り」と形容した。100メートルで前日本記録の9秒97を出すなど、近年の短距離界をリードしてきた大器の敗戦を、陸上担当の細野友司記者が「見た」。

 受け入れがたかった。サニブラウンの顔が曇った。「何であんなに遅かったのか分からない」。日本歴代2位の自己記録20秒08から、1秒33、距離にして10メートル以上遅れる21秒41。16歳で20秒34を出した大器には、信じがたい数字だ。最後は流すようにゴール。完全燃焼にはほど遠い。「ちょっとひどすぎますね。もはやジョギングしてるくらいの走り」と自嘲気味に受け止めた。

 6月の日本選手権(大阪)200メートルを、左太ももの違和感で棄権。約1か月が過ぎて「体は痛いところはないし、フレッシュな状態」と本人は強調した。それでも、実戦の回避自体が懸念材料だった。200メートルを最後に走ったのは、19年6月の日本選手権(福岡)。五輪が2年ぶりのぶっつけ本番になるからだ。弱冠18歳で17年ロンドン世陸7位。誰もが疑わない力を証明してきた。ただ、どんな実力者も試合勘は鈍る。「練習で200メートルを走るのと、試合で200メートルを走るのはものすごく変わる」と実感を込めた。

 100メートルと200メートル。サニブラウンのように2種目を兼ねる選手もいるが、組み立てが異なる。100メートルは直走路。60~70メートル付近で最高速度に達し、残りをいかにスピードを落とさず駆けるか。一方、200メートルは曲走路の加速技術が必要で、重心や体の傾け方に微調整が求められる。後半も100メートルのように最高速度は出さず、8~9割の出力をできるだけ持続する。“100メートルの2倍”ではない。サニブラウンは「50メートルから100メートルで切り替えられずに間延びして、プラン通りいけなかった」。全力で走るだけではない難しさがある。

 高校卒業後の17年から陸上大国の米国が拠点。世界レベルの選手と日常的に練習し、間違いなく成長した。「(世界大会の)予選で落ちるのは初めてなので、何とも言えない気持ち。メダルをとるような選手になるには、練習でやったことを試合でもしっかりやらないといけないと身にしみて感じた」。400メートルリレー(5日予選)を残すが、東京五輪の個人種目はホロ苦い記憶になった。まだ22歳。いつの日か、栄冠で上書きすればいい。(陸上担当・細野 友司)

 ◆サニブラウン・ハキーム 1999年3月6日、東京都出身。22歳。父はガーナ人、母は日本人。東京・城西高2年だった15年世界ユース選手権200メートルでウサイン・ボルト(ジャマイカ)の大会記録を更新。17年世界選手権では200メートル決勝に大会史上最年少で進出。17年秋に米フロリダ大に進み、19年6月の全米大学選手権で100メートル9秒97の日本新(当時)を樹立。同年11月にプロ転向した。

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