前橋市で長期合宿の南スーダン選手が自己ベスト更新!予選敗退も母国や前橋に希望届ける

アブラハム
アブラハム

◆東京五輪 陸上男子1500メートル予選(3日・国立競技場)

 東京五輪に向けて群馬県前橋市で長期合宿を行っていた南スーダン代表のグエム・アブラハム(22)が2日、3分40秒86の1組13着で敗退。決勝進出とはならなかったものの、自己ベスト記録を初出場の大舞台で更新する健闘をみせた。

 午前9時5分にスタートしたレース序盤、先頭集団に遅れながらもストライドの長さを生かし、雨でぬれた国立競技場のトラックを駆けた。フランス、カタール、東ティモール代表選手らに先着しての同組13着でフィニッシュ。4月4日に出場した「東京陸協ミドルディスタンス・チャレンジ」での自己ベスト3分42秒99を、この日約2秒更新した。

 南スーダン選手団は、2019年11月、陸上選手3人とパラ陸上選手1人、コーチの計5人が海外選手団“一番乗り”で来日した。同国は内戦の影響で競技環境が整っておらず、前橋市が受け入れを開始。同市は、ふるさと納税などで選手団の滞在費を確保し、新型コロナウイルス感染拡大による大会の1年延期後もサポートを続けてきた。

 アブラハムは、選手団の中でもストイックで責任感の強い人柄。来日当初は筋力が十分ではなく、走りにぶれもあった。前橋市陸上競技協会の吉野宏会長の指導を受けて二人三脚で厳しい練習に取り組み、スタミナや記録も向上した。

 大会には、アブラハムを含む2選手の大会出場権を得た。1人は記録未到達、1人は南スーダンがIPC(国際パラリンピック委員会)に加盟しておらず出場が困難となっている。大会前、出場を逃した仲間についてアブラハムは「自分の走る姿を見て笑顔や元気になってもらいたい」と語り、「南スーダンと前橋市のために五輪で最善を尽くす」と誓っていた。予選敗退となったものの、自己ベストを更新する快走を前橋市に残る仲間や母国に届けた。

 アブラハムと共に大会出場を決めた同選手団の陸上女子200メートル・ルシア(20)は2日に予選敗退している。約1年8か月の日本での生活を乗り越え迎えた夢舞台の挑戦はこの日で幕を閉じた。

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