三浦龍司、7位入賞 トラック個人種目では日本勢21年ぶり 男子3000M障害…現役箱根駅伝ランナー

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三浦龍司

◆東京五輪 陸上 男子3000メートル障害決勝(2日・国立競技場)

 東京五輪陸上男子3000メートル障害決勝で、現役箱根ランナーの三浦龍司(順大2年)が、8分16秒90の7位で入賞を果たした。トラック個人種目での入賞は、2000年シドニー大会1万メートルで7位に入った高岡寿成氏以来、21年ぶり。規格外の19歳が、自国開催の今大会で確かな輝きを放った。

 三浦は今大会の予選で自身の持つ日本記録を6秒07更新する8分9秒92の日本新記録で走破し、全体2位で決勝に進出。1972年ミュンヘン大会で、順大OBの小山隆治さんが日本人最高9位に入って以来の同種目ファイナリストとなった。決勝へ「これ以上の記録と強さを見せないといけない。タフについていって、ラスト勝負したい」と力を込めていた。

 三浦は今年1月に行われた東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で1区を走り1時間3分31秒のタイムだった。

 小山は1974年に8分21秒6の当時の日本記録をマーク。47年が過ぎた今も日本歴代6位として残る驚異的なタイムだ。その後、日本記録は1980年に新宅雅也が8分19秒52、2003年に岩水嘉孝が8分18秒93と更新した。そして、今年の5月に三浦が8分17秒46の日本新記録をマーク。さらに6月に8分15秒99に更新。そして予選で、8分9秒92まで短縮した。

 今年の5月に三浦が日本記録を更新する瞬間まで、小山の8分21秒6から岩水の8分18秒93まで2秒67を短縮するのに47年を要していたが、三浦が新たな日本記録保持者となった後、わずか2か月で岩水が保持していた日本記録を9秒01も縮めた。三浦は、まさに歴史を大きく動かした。

 たゆまぬ向上心が強さの源だ。日本記録保持者となってもハードリングの改善に着手。女子マラソンの高橋尚子らを育てた小出義雄氏や、68年メキシコ市と72年ミュンヘン五輪代表の沢木啓祐氏ら順大のレジェンドたちを指導した日本陸連元副会長・帖佐寛章氏の直接指導を受けて、体の開きを小さくした。19歳の若きエースは「ロスが少なく、余裕を持って進められる。次の動きへの移行もスムーズになった」と成長を感じている。

 京都・洛南高3年時に思い描いていたのは「24年パリ五輪」だった。「出るからには勝負したかった。『出場する』ことを目標にしたくなかったから、東京の先を考えていた」。一歩一歩、記録も内容も進化し、五輪1年延期もあって世界トップクラスと渡り合えるだけの実力をつけた。

 三浦の決勝進出には、箱根駅伝のライバル校からもエールが寄せられた。青学大の原晋監督は「予選の走りっぷりは見事だった。まだ、余裕がありそうに見えた。三浦君のスピードはアフリカの選手にも負けていない。決勝ではメダルどころか、一発、金メダルのチャンスもあるのでは。全力で応援します」と話したが、期待に応える快走だった。

 ◆三浦 龍司(みうら・りゅうじ) 

 ▽生まれとサイズ 2002年2月11日、島根・浜田市。19歳。167センチ、56キロ。

 ▽競技歴 国府小1年から陸上を始め、浜田東中で全中出場。京都・洛南高3年時に3000メートル障害で陸上最古の高校記録を破った。

 ▽順大 20年4月入学も、コロナ禍ですぐには寮生活できず、春先は地元・島根で黙々と練習。同年10月の箱根予選会で大迫傑(早大)の持つハーフマラソンU20日本記録を更新。全日本大学駅伝1区区間新。

 ▽憧れ 総合格闘技のコナー・マクレガー(アイルランド)などに影響。

 ▽まるで「初代・山の神」 長門駅伝監督は「走力だけでなく人望も厚い。今井(正人、現トヨタ自動車九州)のような人材」と自身の同期であり主将を務めた人格者の名を挙げる。

 ◆3000メートル障害とは

 1周の間に障害物が4回、障害物の先に水濠(すいごう)がある大障害が1回。3000メートルを走る間に、障害を28回、大障害を計7回、飛び越える。障害物の高さは男子が91・4センチ、女子が76・2センチ。足をひっかけると倒れる短距離のハードルと異なり、体操の平均台のような障害物は重いため、足をひっかけても倒れることはない。飛び越え方には、障害物の上に足を乗せる「足かけ」と、足を乗せない「ハードリング」がある。足かけはスピードが落ちるが、その分、体力の消耗は少ない。ハードリングはスピードが出るが、着地衝撃が大きく体力を消耗する。

 大障害の水濠は男女とも長さが3・66メートル。深さは障害物の手前の最深部が70センチで、3・66メートル先の水際に向かって徐々に浅くなる。三浦は大障害で足かけで飛越するが、アフリカの選手の中には大障害もハードリングで飛越する猛者もいる。

 大障害は、競技場によってトラック外側に水濠が設置された「外水壕」と、トラック内側に水濠が設置された「内水壕」に分けられる(日本では外水壕が多数)。1周の距離は外水濠が421メートル、内水壕が390メートル。記録は外水濠も内水濠も同条件として扱われるが、コーナーを回りながら大障害を越える外水濠に比べ、直線路で大障害を越える内水濠の方が走りやすいため、好記録が出やすいとされる。また、内水濠はスタートから約250メートルを障害なしで走るため、序盤にタイムを稼ぐこともできる。旧国立競技場は外水濠だったが、現在の国立競技場は内水濠。

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