“ド根性ツノガエル”入江聖奈、金王手 「ドシっと圧」かけ英兵とド突き合い

スポーツ報知
決勝進出を決めて喜ぶ入江(ロイター)

◆東京五輪 ボクシング 女子フェザー級準決勝(31日・両国国技館)

 女子フェザー級準決勝で、銅メダル以上を確定させている入江聖奈(20)=日体大3年=が、19年世界選手権銅メダルのカリス・アーティングストール(英国)に3―2の判定で競り勝ち、3日の決勝進出を決めた。日本勢の決勝進出は、64年東京の男子バンタム級金・桜井孝雄、12年ロンドンの男子ミドル級金・村田諒太に続き3人目で女子は史上初。

 歴史の扉を開けた瞬間、入江は大好きなカエルのように跳び上がって喜んだ。1回は入江がフルマーク。2回に並ばれ、勝負の3回は「これで負けたら一生後悔する」と玉砕覚悟で激しく打ち合い、1ポイント差で競り勝った。「これで行けることになった。ここまで来たら金メダル取りたい」と満面の笑みを浮かべた。

 対戦したアーティングストールは英陸軍・王立砲兵連隊所属。「強気のツノガエル作戦」で挑んだ。単発のパンチを打ってくる相手の左右に回り込み、打ち終わりにジャブと右ボディーで応戦。3回には「ピョンピョン跳びはねる普通のカエルではなく、ドシッと相手に圧をかけるツノガエル」に変身。真正面からド突き合い、カウンターの右で打ち返すなど、ひるまず戦った。

 出身の鳥取県で初の金メダリストを目指し、悲願達成の瞬間を「歴史の扉を開く」と表現する。金メダルに王手をかけた扉の開き具合は「5センチ」といい、フライ級で戦う並木月海(つきみ)=自衛隊=の名を挙げ「やっぱ並木さんと一緒に取って歴史の扉を開けたい」。

 女子史上初の金メダルへ、立ちはだかる決勝の相手は19年世界選手権覇者のネスティー・ペテシオ(フィリピン)。日本連盟の強化関係者が「左右にスイッチし、すさまじい強打が武器の“女パッキャオ”」と評するファイターだ。対戦成績は入江の2勝1敗で、直近だった昨年3月の五輪予選では足を使い、攻略した。

 小学2年から指導する日本連盟の伊田武志女子強化委員長は決勝の作戦を「詰将棋をするトノサマガエル」と表現。「一手一手、詰めて殿様になる」と王冠をかぶったカエルと入江を重ねてイメージした。「オタマジャクシから、ちょっとずつカエルに近づいている。金メダル取ったらカエルから羽が生えてくるほどすごいこと」と入江。女子の世界地図が“ひっくりカエル”金メダルを奪いにいく。(小河原 俊哉)

 ◆ツノガエル 成長すると15センチほどになり、値段は3000~5000円程度でペットとしても人気。獲物を丸のみする様子や、大きな口の形態から、ペット業界では「パックマンフロッグ」とも呼ばれる。

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