津軽のロビンフッド・古川高晴、70メートル先の“リンゴ大”10点の的射ぬいて銅 3年後のパリ目指す

スポーツ報知
古川高晴(ロイター)

◆東京五輪 男子個人3回戦(31日、夢の島公園アーチェリー場)

 男子個人3位決定戦で、5大会連続五輪出場で、12年ロンドン大会銀の古川高晴(36)=近大職=が湯智鈞(台湾)を7―3で下し、個人では2大会ぶりの表彰台となる銅メダルを獲得した。26日には男子団体でも日本初の表彰台となる銅メダルを獲得したばかり。炎天下で2枚目のメダルを射抜いた“津軽のロビンフッド”は、3年後のパリ五輪出場も射程に入れた。

 10点の的は直径12・2センチにすぎない。ちょうど古川の故郷・青森の名産、リンゴくらいの大きさだ。70メートル先のリンゴを見事に射抜いた。

 3位決定戦の最終第5セットのラストショット。10点なら銅メダルが手に入る。記者席からは、的は点にさえ見えない。ど真ん中からほんの少しだけ右下に、栄光の矢が突き刺さった。「最後は10点入れればメダルとか意識していなかった。タイミングよくちゃんと撃とうと思っていた」。自分の腕を信じ切っていた。

 東北人は暑さに弱いという定説は、5大会連続出場の“津軽のロビンフッド”には通用しない(どうもウィリアム・テルよりしっくりくる)。体が溶けそうな炎天下でも、毎日午前9時から午後6時までの練習で染みこませた技術は揺るがなかった。

 「うれしさよりも感謝です。家族や多くの方に支えてもらえていると実感した。歴史に名前を残せたのはうれしい。東京の大会でのメダルなので特別です」

 個人ではロンドン以来2つ目のメダル。コロナ禍で昨年は4月から約2か月半も練習場が使えず、矢をつがえない「素引き」をひたすら繰り返した。土壇場でよりどころになるのは結局、基本なのだ。

息子会いたい 今年2月に第1子となる長男が誕生した。3月に代表選考会を控え、てんやわんや。詰めの練習とイクメンの両立は「本当につらかった」と笑うが、この日も愛息が力をくれた。「子供が生まれた年はいいことあるよ、と言われて、実際にその通りになってうれしい。早く帰りたいです」とサングラスのこわもてから、優しいパパの顔に戻った。

 「僕としてはやりたい」と39歳で迎えるパリ五輪を目指す意向を表明。まだ金メダルが残っている。簡単にメダルを花道にしないところが、青森人らしい“じょっぱり(頑固者)”気質なのかもしれない。(太田 倫)

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請