渡辺勇大、東野有紗組が混合複日本初の銅メダル!中高過ごした福島に恩返し「パリ五輪でも結果残す」

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混合ダブルス3位決定戦に勝利した渡辺勇大、東野有紗組(カメラ・矢口 亨)

 混合ダブルス3位決定戦で、世界ランク5位の渡辺勇大(24)、東野有紗(24)組=日本ユニシス=が、同13位の香港ペアをストレートで破り、同種目の五輪日本勢で初の銅メダル。渡辺は日本男子初の表彰台に上った。女子シングルスは前回銅の奥原希望(26)=太陽ホールディングス=、山口茜(24)=再春館製薬所=が準々決勝で敗退。有力選手をそろえた同競技は金メダルゼロに終わった。

 4度目のマッチポイント。羽根が相手コートに落ち、渡辺は叫んだ。東野も叫んだ。日本勢初の銅メダル。2人はハグして喜びを共にした。「東京五輪という大きな舞台でメダルをとれて、誇りに思う。頑張ってきたことが報われた」と渡辺。男子複も遠藤大由(34)と組み8強。7日間で10戦を戦い抜いた。東野も「幸せです。遠藤さんも合わせて、3人でとったメダル。本当に、ありがとうしかない」と熱い涙をあふれさせた。

 男子単の桃田、女子複も世界1位の福島、広田組がメダルを逃していた。「期待やプレッシャーに押しつぶされそうで、逃げ出したい、試合したくないと思った。素直につらくて、しんどかった」と渡辺。勝敗が残酷に分かれる3位決定戦。客席からは敗退した奥原、福島らが見守ってくれた。願いが身にしみた。巧みなレシーブと強打で、魅力を出した。渡辺は「最後は気持ちだった」。結果的に今大会日本勢唯一となる銅メダルは、気迫でもぎとった。

 北海道出身の東野と東京出身の渡辺は、福島の富岡一中で出会った。東野が2年生、渡辺が1年生の11年3月11日、富岡高の体育館で東日本大震災に襲われた。東野は「おなかがすく余裕もない。避難所でパンを1枚食べただけ」。渡辺も「感じたことのない揺れで、本当に死を覚悟した」と振り返る。五輪切符を確実にしたのは、20年3月11日。延期で震災10年の節目に本大会を迎えた。渡辺の父・雅和さんは「彼は福島で成長させてもらったという気持ちが強い」と明かす。恩返しを形にした渡辺は「これからも福島での6年は大事な1ページ」とうなずいた。

 日本の五輪男子初メダリストとなった渡辺は「一番最初に名を連ねられてうれしい。日本で混合ダブルスの価値が認められて、僕らがもっと面白さを広げていければ」と夢を抱く。東野も「この先の大会やパリ五輪でも結果を残してつなげていけたら」。歴史的なメダルは、輝く未来への出発点だ。(細野 友司)

 ◆渡辺 勇大(わたなべ・ゆうた)1997年6月13日、東京・杉並区生まれ。24歳。小学2年時に小平ジュニアで競技を始める。16年日本ユニシス入社。自身がデザインしたTシャツを販売し、利益全額を福島に寄付するなど、被災地支援活動にも取り組む。167センチ、56キロ。利き腕は左。

 ◆東野 有紗(ひがしの・ありさ)1996年8月1日、北海道・岩見沢市生まれ。24歳。小学1年から競技を始める。富岡一中で初めて渡辺とペアを組み、富岡高時代の14年世界ジュニア選手権で銅メダル獲得。20年全日本総合選手権で4連覇を達成。21年全英オープン優勝。160センチ、54キロ。利き腕は右。

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