トランポリン森ひかる、涙の演技中断「どんどん苦しくなって…もう頑張らなくていいんだ」

スポーツ報知

 トランポリン女子で、19年世界選手権覇者の森ひかる(22)=金沢学院大ク=は第1演技で47・350点を出すも、第2演技はミスで無念の途中中断。合計63・775点で13位となり、上位8人による決勝進出を逃した。宇山芽紅(めぐ、25)=スポーツクラブ テン・フォーティー=が予選突破し、決勝で54・655点をマーク。5位に入り、2000年シドニー五輪の古章子氏を上回る日本女子歴代最高位だった。

 森はただぼう然とするしかなかった。2演技目の跳躍の2、3本目で乱れが出ると、4本目の着地後、上半身が前のめりになり、台の外にはみ出した。まさかの幕切れで終わった初めての五輪。約5分の取材対応で、涙が止まることはなかった。「1か月前から宙返りもジャンプも跳べない日々が続いた。この舞台に立てないと思って、先生に『やめたい』『選手交代をしたい』と言った日もあった」。22歳は五輪の重圧と闘っていた。

 普段は明くハツラツとした姿が印象的。「少年のような子」と母・美香さん。ネイルとオシャレが大好きな大学生。だが、笑顔の裏で、森は葛藤していた。19年世界選手権と、五輪直前のW杯で優勝したが実は不調だった。「本当は出たくなかったけど、まさか優勝して…」と、周囲の期待と見えないプレッシャーに押しつぶされそうだった。「どんどん期待されて、うれしさと苦しさが…。どんどん苦しくなって」と、言葉を詰まらせた。

 演技後「もう、頑張らなくていいんだと思うと安心した」と語った。16年リオ五輪は年齢制限のため出場できず、東京大会は待ちに待った舞台だった。五輪までの選考レースは「想像以上に苦しかった」と話したこともあったが、「支えて下さった人に感謝の気持ちを返したかった」と、最後まで諦めなかった。結果は想像とは違った。それでも「最高の景色が見られたので、ここまで頑張った自分を褒めたい」。4歳から始めた競技人生を全て出し切った結果だった。(小林 玲花)

 ◆森 ひかる(もり・ひかる)1999年7月7日、東京都生まれ。22歳。金沢学院高卒。4歳から競技を始める。13年の全日本選手権で当時史上最年少の14歳で初優勝。17年世界選手権シンクロ銀メダル、18年世界選手権個人5位、シンクロで日本勢女子史上初の金メダル、19年世界選手権で日本勢男女通じ初の個人金メダルを獲得した。159センチ。

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請