◆第103回全国高校野球選手権西東京大会 ▽準々決勝 世田谷学園3―2狛江(28日・府中市民球場)=延長13回タイブレイク=
都立で唯一ベスト8入りしていた狛江が、タイブレークの末、2―3で世田谷学園に破れた。
あと一歩、及ばなかった。延長13回、タイブレークに突入し、2点を勝ち越されたその裏の攻撃。1死二、三塁の場面で、2番・小林佑樹三塁手(2年)が右翼への犠飛を放ち、1点を返した。しかし、この際二塁を飛び出していた走者の下志万大地右翼手(3年)が二、三塁間で挟まれ、タッチアウト。併殺でゲームセットとなった。
逆境をはねのけ、ここまでやって来た。初戦で延長10回の末、八王子北を破ると次第に波に乗り、5回戦ではプロ注目左腕・羽田慎之介(3年)を擁するシード校・八王子学園八王子を撃破。今大会5戦中3戦を逆転勝ちするなど、ここ一番の勝負強さを発揮してきた。
そんな強さの要因は「3年生の仲が良く、団結力があってひとつになれたこと」と落合陽輝主将(3年)。自粛期間は土日にオンラインミーティングを開催し、チームの意志を統一。全体練習ができなくても、家が近所の者同士で集まってキャッチボールをするなどして、乗り越えてきた。
この日は、西村昌弘監督の38歳の誕生日。落合主将は「勝利という形で最高の誕生日プレゼントをと思っていましたが…悔しいですね」と唇をかんだが「選手は本当によくやってくれた。私事ですが、特等席でいい試合を見せてもらいました」とナインをねぎらった。快進撃はここまでとなったが、その姿を十分に示した夏となった。(北川 栞)