◆東京五輪 競泳女子200M個人メドレー決勝(28日・東京アクアティクスセンター)
400メートル個人メドレーで金メダリストとなった大橋悠依(イトマン東進)が2分8秒52で金メダルを獲得した。準決勝全体の5位で決勝に進出した大橋は、快調な泳ぎで2個目のメダルを手にした。大橋は25日の400メートル個人メドレーで、同種目での日本勢初の金メダリストとなり、今大会競泳日本代表でのメダル第1号となっていた。
大橋は1995年10月18日、滋賀・彦根市生まれの25歳。草津東高でのスケールの大きな泳ぎが、平井伯昌コーチの目にとまり、東洋大に進学したが、1、2年時は、筋力不足や極度の貧血で伸び悩み、大学2年で臨んだ日本選手権200メートル個人メドレーでは40位の最下位。後に、重度の貧血が判明した。この苦しい時期を乗り越えるために、鉄分の多い食事をとるなど体質改善に取り組んだ。家族の協力もあったという。そのかいあって、16年の日本選手権では、リオ五輪出場は逃したものの、3位に食い込み、飛躍のきっかけとなった。
大橋はその後、自らも勉強に励み、アスリートフードマイスターの資格を19年9月に取得した。日本アスリートフード協会事務局によると、アスリートフードマイスターを取得した現役アスリートとして、初の金メダリストとなった。同資格は、トップアスリートの選手の妻が取得していることが多いという。大橋は自らスポーツ栄養学を勉強し、自身のコンディショニング維持に生かしたことになる。
同事務局広報部の佐藤泰之さんは「水泳や陸上などは、たくさんの食事をすることになります。大橋さんはご自身のことを理解されて、脂質やタンパク質などのとり方を競技に生かされるよう考えられたと思いますし、免疫をつける食事にも役立てられたと思います」。大橋は「元々高校の時から栄養学に興味があった」と話している。