◆第103回全国高校野球選手権和歌山大会 ▽決勝 智弁和歌山4―1市和歌山(27日・和歌山市紀三井寺)
和歌山の決勝は、今秋ドラフト1位候補の市和歌山の152キロ右腕・小園健太(3年)が智弁和歌山に逆転負けを喫した。
宿敵に敗れ、ドラフト1位候補・小園の夏は終わった。「甲子園に戻るという思いでプレーしてきたので、悔しい」。市和歌山のエースはマウンド上では落ち着いた表情を崩さなかったが春夏連続出場を逃し、試合後は目に涙を浮かべた。
昨秋から公式戦で3勝1敗としのぎを削る名門・智弁和歌山の壁は厚かった。「2年半の全てをぶつける思いでマウンドに上がった」と最速152キロ右腕は5回まで2安打無失点に抑えたが、6回以降、5安打3四球4失点。この日は三振を1つも奪えなかった。
同じくプロ注目で通算43本塁打を誇る松川虎生(こう)との“最強バッテリー”の挑戦も終わった。2人は中学3年時に貝塚ヤングで日本一を経験。試合後、2人はプロ志望を明言し小園は「5年半、僕のわがままも聞いてくれた。良い相棒で一番大きな存在。プロで違うチームで対戦したい」と前を向いた。好投手の物語は続く。(南 樹広)