ソフト日本救った最年少20歳の後藤希友 世界の2大エースから学んだ投球術…担当記者が「見た」

延長8回、タイブレークの末にメキシコにサヨナラ勝利し、山田〈11〉と抱き合って喜ぶ後藤(カメラ・相川 和寛)
延長8回、タイブレークの末にメキシコにサヨナラ勝利し、山田〈11〉と抱き合って喜ぶ後藤(カメラ・相川 和寛)
上野と後藤の比較表
上野と後藤の比較表

◆東京五輪 ソフトボール1次リーグ 日本3x―2メキシコ(22日・福島県営あづま球場)=延長8回タイブレーク=

 1次リーグ第2戦が行われ、日本が延長8回タイブレークの末、メキシコを3―2のサヨナラで下して開幕2連勝を飾った。この日39歳の誕生日を迎えた連投のエース・上野由岐子(ビックカメラ高崎)が7回途中2失点と粘った。上野を救援したチーム最年少20歳の左腕・後藤希友(トヨタ自動車)が2回5奪三振の無失点で勝利につなげた。救世主的な活躍をした後藤の成長ぶりを、ソフトボール担当の宮下京香記者が「見た」。

 上野に続く次世代の“エース”と言い切れる逸材が、ついに現れたと実感した。後藤が無失点救援でサヨナラ勝ちを呼び込んだ。7回、先発の上野が2―2に追いつかれ、なお無死一、二塁。宇津木監督は自信を持って20歳を2番手で送り出した。最初の打者を自慢の直球で捕飛。リズムに乗ると2者連続三振でしのいだ。「上野さんがつないでくださったバトン。自分を信じて投げられた」。延長のタイブレークに突入した8回も無死二、三塁から直球で連続K。2死満塁とした後、最後はチェンジアップで見逃し三振に斬った。敗戦の危機を脱し、その裏の劇勝につなげた。

 2回5奪三振のほぼ完璧な内容。初出場の五輪で、21日のオーストラリア戦に続く好リリーフだった。宇津木監督も「後藤が、昔の上野に見えてきた。私が褒めるまでもない、最高のピッチング」と、賛辞を惜しまなかった。

 日本の救世主は17年に初代表。18年の日米対抗でデビューし、日本人左腕最速113キロのサウスポーはポスト上野と当時から注目された。ただ、“上野の413球”で頂点に立った08年北京五輪以降、そう呼ばれた投手は数多くいた。その中で後藤のこの日の投球は存在感をより際立たせた。

 世界の“2大エース”に育てられたことが大きい。代表デビュー後、上野に「三振を取れるいい球を投げること」と指摘され、合宿ではそばで練習法などを学んだ。所属するトヨタ自動車では米国代表エースのモニカ・アボットの隣で常に投球練習。「試合のつくり方」、「打たれた時の切り替え」と技術、精神面で吸収した。五輪1年延期でさらに力を伸ばし、昨季日本リーグで日本人最多5勝で新人賞。今年5月にはリーグで自身初のノーヒットノーランを達成した。

 2年前の高校卒業時に教室で取材した。「カメラでパシャパシャ(撮られて)も恥ずかしいっすね。苦手」と、とにかくシャイだった。この日は各国メディアの前で、「上野さんの誕生日。必ず勝ちをプレゼントしたかった」と堂々と話す姿に、投球同様の成長も感じた。

 競技を始めてから「上野さんが目標」で、もう一つ五輪を目指すきっかけとなったのが競泳の池江璃花子。16年リオ五輪に出場した姿に、「同い年で頑張っていてすごい」と刺激。夢舞台で躍動する20歳が金メダルへのカギを握りそうだ。(ソフトボール担当・宮下 京香)

試合詳細
延長8回、タイブレークの末にメキシコにサヨナラ勝利し、山田〈11〉と抱き合って喜ぶ後藤(カメラ・相川 和寛)
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