小池百合子都知事に単独インタビュー…重量挙げ三宅宏実の日本勢メダル1号に期待「決めてもらいたい」

拳を握り選手にエールを送る小池百合子都知事(カメラ・森田 俊弥)
拳を握り選手にエールを送る小池百合子都知事(カメラ・森田 俊弥)

 東京都の小池百合子知事(69)が22日、都庁でスポーツ報知の単独インタビューに応じた。23日に開幕を迎える東京五輪・パラリンピックについて、ザ・ビートルズの名曲を歌唱し「長い道のりだった」と振り返り、「東京から世界にポジティブなメッセージを伝えたい」と意気込みを語った。24日に登場する重量挙げ女子49キロ級代表の三宅宏実(35)=いちご=の“日本勢メダル1号”に期待を寄せるなど代表選手らにエールを送った。(聞き手・奥津 友希乃、瀬戸 花音)

 インタビュー冒頭、小池氏は開幕までの道のりを、ザ・ビートルズの名曲「The Long And Winding Road(ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード)」になぞらえ表現。手でリズムを取りながら歌声を響かせた。

 「歌えます、私。The long and winding road~。ここまでは、まさに長くて曲がりくねった道のりでした」

 2016年の都知事就任直後、リオ五輪閉会式に出席し五輪旗を引き継いでから約5年―。自ら着手したコスト削減など大会計画の見直しや、IOCによる急転直下のマラソン・競歩会場の札幌移転、新型コロナウイルス感染拡大など数々の苦難を経て、23日夜に聖火が国立競技場にともる。開会式には小池氏も出席し、その瞬間を見届ける予定だ。

 「コロナによる五輪史上初の1年延期など、本当に関係者の皆さんが努力をしながら、ようやくここまでたどり着いたという思いです。いよいよギリシャから運ばれた聖火が46道府県を経て、東京で(23日午前に新宿で)ゴールインします。開会式では、最終ランナーによって聖火台に“希望のともしび”として灯(とも)る瞬間を迎えることと思います」

 開閉会式を巡っては、開幕直前までスキャンダルが続発。開会式の音楽を担当する小山田圭吾氏の辞任に続き、大会組織委員会は22日、開閉会式のショーディレクターを務める小林賢太郎氏の解任を発表した。小池氏も関係者の相次ぐ不祥事に不快感を示す。

 「大会理念である『多様性と調和』や、五輪憲章に背くということはあり得ないことです。残念なことが続いてはいますが、東京からポジティブなメッセージを発信していきたいですし、主体となるのはやはりアスリートの皆さんだと思っています」

 約半世紀ぶりに東京で行われる“平和の祭典”は、緊急事態宣言下での異例の開催となった。有観客の可能性を最後まで探った一方で、開催都市のトップとして都民や国民の安全を最優先に無観客化を決断。東京のほか、周辺3県と北海道、福島の会場でも五輪の無観客が決定し、パブリックビューイングも各地で中止となった。

 「無観客の会場が多いですが、世界で40億人が大会をテレビ視聴します。残念ながら各地でのパブリックビューイングなどもありませんが、コロナのことも考えてぜひ、おうちで家族と一緒に、テレビを通じて大いに声援を送ってほしいと思います」

 コロナ禍で世界中が危機に直面する中、逆境を乗り越えて夢舞台に立つアスリートの躍動が希望や勇気を与えることを願っている。

 「ソフトボールも連勝し、大きな力をもらいました。女子サッカーの“なでしこジャパン”も(21日カナダ戦で)もうダメかと思ったら最後にドローにねじ込みました。世界の皆さんがいま、コロナでつらい思いをしていますが、アスリートが集まってすばらしい挑戦や競技を見せてくれるというのは、非常に力を得ることだと思います」

 インタビュー終盤に、思い入れのある競技に話題が及ぶと、言葉に力がこもった。小池氏は、13~16年に「日本ウエイトリフティング協会」会長を務めた。04年のアテネ大会から5大会連続出場となる重量挙げ女子の三宅は、24日に日本勢の先陣を切って競技に臨む。

 「ウェートリフティングは、一番最初にメダルをもたらす可能性がある競技でもあります。三宅選手も、1年大会が延びたことでモチベーションをどう保つか、どうやって体調を維持していくのかということも挑戦だったと思います。『24日にメダルを決めてもらいたいなぁ』という思いでいっぱいです!」

 日本勢はこれまで、夏冬五輪で499個のメダルを獲得。24日には、日本の“お家芸”柔道の代表選手らも登場することから、通算500個目のメダルにも期待が高まっている。

 「柔道も日本は強いですから、メダルが期待できますよね。応援したくなる素晴らしいアスリートがたくさんおられますし、いっぱいエネルギーをもらえると思いますので、皆さんにもぜひ、応援していただきたいです」

 ◆小池 百合子(こいけ・ゆりこ)1952年7月15日、兵庫県芦屋市生まれ。69歳。76年にエジプト・カイロ大卒業後、テレビ東京系「ワールドビジネスサテライト」のキャスターなどを経て、92年の参院選で日本新党から出馬し比例で初当選。翌年の衆院選でくら替え当選。94年、新進党結成に参加。2002年、自民党に入党。03年小泉内閣で環境相、07年第1次安倍内閣で女性初の防衛相。16年7月に女性初の都知事に就任。20年の都知事選で再選。

大会成功への意気込みや課題を語る小池都知事
大会成功への意気込みや課題を語る小池都知事

 ◆取材後記

 写真撮影込みで所要時間10分のインタビューは“お決まり”の話題からスタートした。記者にとって単独インタビューは3度目だったが「私はよく報知新聞のこと宣伝してるんですよ」。報知新聞社が1901年に掲載し、テレビ電話やエアコンの誕生を予測した「20世紀の予言」を知事は会見などで紹介しており、この日も「プレッシャーをかけるようですが、将来を洞察するような記事を書いてくださいね」と求められた。

 1か月前、知事は過労により入院した。インタビューも公務や体調をみながらの判断になるとのことで、前日の21日夕に急きょ決まった。公務復帰直後はかすれ声で息苦しそうな様子もあったが、この日はビートルズの曲を笑顔で口ずさむ場面もあった。“20世紀の予言”にもなかったコロナ禍という未曽有の危機の中、知事にとって正念場となる戦いが開幕する。(友)

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