岩渕真奈が救った!なでしこ敗戦危機から同点ゴール「できる限りの力をみんなが出し切った試合」

後半39分、同点ゴールを決め、杉田〈6〉らと抱き合う岩渕(右から2人目)
後半39分、同点ゴールを決め、杉田〈6〉らと抱き合う岩渕(右から2人目)

◆東京五輪 ▽サッカー女子1次リーグ第1戦 日本1―1カナダ(21日、札幌ドーム)

 1次リーグが始まり、2大会ぶり出場のE組のFIFAランク10位、なでしこジャパンは、初戦で2大会連続銅メダルで同8位のカナダと対戦して1―1で引き分けた。0―1の後半39分、新10番のFW岩渕真奈(28)=アーセナル=が同点弾を決め、高倉麻子監督(53)、澤穂希さん(42)らを抜き歴代トップの5戦連発。24日の第2戦は英国と対戦する。

 新10番の岩渕がチームを救った。なでしこジャパンは開始わずか6分、カナダ代表のFWシンクレアにこぼれを左足で押し込まれた。後半には途中出場のFW田中が自ら得たPKを止められた。守備に追われる時間が多くなる岩渕。だが同39分、MF長谷川のロングボールを走り込んで受けると、右足で押し込んだ。「思い切ってCBの裏に走った。チーム全員の気持ちが乗ったゴールだった」。黒星発進のピンチにエースが大仕事を果たした。

 10年前。初優勝の11年ドイツW杯に岩渕はチーム最年少18歳で出場。翌年のロンドン五輪は銀、15年カナダW杯準優勝と黄金期を過ごした。変わらぬメンバーで自分たちのスタイルを貫いた結果、研究され尽くし、16年リオ五輪アジア最終予選で本大会出場を逃した。自身も、全ての大会でけがを抱えたまま出場していた。

 同年4月に高倉監督が就任し、世代交代が進んだ。澤穂希さんや宮間あやさんらが抜け、岩渕は「勝負一つに対するこだわりがすごかった。当時の私は、試合が楽しみという気持ちしかなくて、軽かった」。11年W杯では、準々決勝のドイツ戦を前に帰国の身支度をしていたと明かす。自由にプレーできていたのは、ベテラン選手のサポートがあったから。その存在の大きさ、自覚不足に気がついた。

 19年フランスW杯は、チームの成熟が足りず、16強敗退。長谷川が「上の選手についていこうではなく、自分がやらなきゃいけない」と話すように、年齢問わず、選手の危機感はさらに増した。1年延期の五輪で28歳になった岩渕は、15年W杯まで澤さんが長年背負った10番を引き継いだ。「小さい頃から目標にしていた番号。いろんなものを背負ってチャレンジして、自分らしい番号に染められたら」。多くの国際舞台を経験し、けがなしで初戦を迎えた。「無観客の世界大会で寂しさはある。できる限りの力をみんなが出し切った試合」と感極まり、声を震わせた。テレビの前で応援してくれたサポーターに、持っていた自信が本物だと証明した。

 次戦は強豪の英国。96年アトランタ五輪からの6大会のうち、初戦に敗れた国が決勝トーナメントに進んだのは37%だった。エースが決めた意地の1点が、価値ある勝ち点1につながった。(小又 風花)

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