【鳥取】米子松蔭 不戦敗から逆転サヨナラ勝ち 西村虎之助主将「日本一になって恩返ししたい」

9回、逆転サヨナラ勝ちに喜ぶ米子松蔭ナイン(カメラ・義村 治子)
9回、逆転サヨナラ勝ちに喜ぶ米子松蔭ナイン(カメラ・義村 治子)

◆第103回全国高校野球選手権鳥取大会 ▽2回戦 米子松蔭3x―2境(21日・どらやきドラマチックパーク米子)

 鳥取は、第1シードの米子松蔭が9回に逆転サヨナラで初戦を突破。学校関係者1人の新型コロナウイルス感染が判明し、一度は出場辞退で不戦敗となったが、参加が認められた再試合を制し4年ぶり4度目の甲子園へ好発進した。

 異例の再試合は、劇的なクライマックスが待ち受けていた。0―2の9回裏、米子松蔭ベンチが動いた。先頭から2者連続の代打が快音を響かせると、3連打で1点差。なおも2死満塁から4番・小野陽一朗右翼手(3年)の打球が三遊間を抜け、相手守備が乱れる間に二塁走者も生還。小野は「サヨナラは人生初めての経験です」とチームメートと喜びを爆発させた。

 一時は不戦敗という形でどん底に突き落とされた。主将の西村虎之助中堅手(3年)の悲痛ツイートが全国的に大きな反響を呼び、再出場にこぎつけた。「何とかしてやるという気持ちがあれば、かなうことがある」。17日の不戦敗から19日に出場が認められるまでの期間に、西村が一番学んだ思いだ。ツイッター投稿は人生で初めてだった。「(SNSの)不安や怖さはあったけど、辞退が諦めきれなかった」。境の井上翔太主将(3年)は「米子松蔭と試合がしたかった。何かできることはないかと思い(西村の)ツイートを拡散した」と明かした。

 出場辞退以降は学校が休校措置となり、19日までの3日間は全体練習も行えず。20日も2時間ほどしかできなかった。8回まで6度の得点機で無得点と調整不足も露呈したが、諦めない気持ちで逆転した。塩塚尚人監督は「人は一人じゃ生きていけない、選手らも支えられているんだと実感した」と語った。

 両校の先発は中学時代に同じチームでエースを争った間柄。境には、それぞれチームメイトだったメンバーも多い。「境高校が(対戦を)承諾してくれたお陰で僕たちが(試合できる)。境高校の思いを胸に、絶対に甲子園。応援してくださった方々に恩返しを。一戦一戦、僕たちのできるプレーをして、甲子園に出場して日本一になって恩返ししたい」と西村。一層強くなった決意で、高い頂を目指す。(畑中 祐司)

 ◆米子松蔭(鳥取・米子市)1955年に米子高等経理学校として創立した私立校。生徒数628人。62年に米子商となり、2001年から現校名。普通学科3コースがある。野球部は66年創部。甲子園は春1回、夏3回の出場で、88年夏の3回戦が最高成績。主な卒業生はお笑いコンビのガンバレルーヤ・まひる。

 ◆米子松蔭を巡る経過 初戦前日の16日深夜に学校関係者1人の新型コロナ感染が判明。17日朝、野球部独自の抗原検査で全員陰性を確認も、公的に証明する時間がなく出場を辞退。18日に学校が鳥取県高野連に大会復帰の嘆願書を提出し、西村主将がツイッター投稿。19日に県高野連が復帰を認めると発表した。

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